研究実績の概要 |
令和5(2023)年度におけるこの研究の主要な成果は,査読を有する学術雑誌に採択された次の論文である。 Product life cycles, product innovation and firm growth, Annals of Operations Reseacrh この論文は,各製品(財及びサービス)が(導入期,成長期,成熟期及び衰退期からなる)ライフサイクルを有するということを前提としたうえで,企業の新製品の研究開発の合理的水準及びその結果生ずる企業の(売上及び利潤の)成長を理論的に分析することを目的とするものである。この論文で行われた分析は,その発明以後の時間の関数且つ有界な関数として表現される各製品の需要関数に基づいて,既に発明した製品及び将来新たに発明する製品のよってもたらされる利潤と新製品の発明の確率を決定する研究開発費の差の(期待値の)割引現在価値を最大にしようとする企業の最適な研究開発の水準を理論的に求め,かかる企業の売上の成長率が,時間の計画と共に新製品の発明の確率に収束することを示すものである。 これは,動学的見地から有効需要の原理に理論的基礎を与えようとするこの研究の目的に適合するものである。
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