研究実績の概要 |
本年度は、本研究の研究目的の"企業レベルのショック"と"マクロレベルの景気変動"の内、特に前者の部分に注目して、特に高成長企業の成長プロセスが持つ特徴的な性質について分析した。確率論を用いた理論研究と税務大学校の所有する法人税データを用いた実証分析を行い、その結果、高成長企業の成長プロセスはある期間継続的に成長するというパターンではなく、短い期間に極端に大きく成長(ジャンプ)するというパターンが一般的であるという結果を得た。これらの内容は、論文 "The U-shaped Law for High-Growth Firms" としてまとめた。さらに同内容について、学会での発表(SBEJ 1st Online Conference for Young Researchers, オンライン)も行い、参加者からコメントを得た。
また、昨年度から継続して研究していた、需要ショックが企業間取引ネットワークを伝播する現象についての実証研究("Demand shock propagation through an input-output network in Japan")に関しても、直近のデータを追加して分析をアップデートした。この内容についても、学会発表(Econometric Society, Asian meeting, オンライン)を行った。
来年度以降も引き続き、これらの論文について学術雑誌への投稿、国内・国外の学会で発表を行う予定である。
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