メタ分析統計手法と意思決定モデルに関する本研究プロジェクトは、統計分析手法と統計的意思決定論をむすびつけ、データから意思決定をどのように改善するかを考える。(1)さまざまな実証研究の推定結果を統合するメタ分析について効果の異質性が大きすぎるか検証する手法を考案する。(2)社会調査におけるランダム抽出や社会実験におけるランダム割付など、「ランダム化」は主要な統計原則として重要な役割を担っている。しかし、経済学における基盤である統計的意思決定論にもとづくと、「ランダム化」には情報的価値がない。統計的意思決定論に「思考コスト」という限定合理性の概念を加えることで、「ランダム化」を説明しようと試みる。
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