研究課題
若手研究
本研究課題では、死因分析における聞き取り調査表の質問項目の重要性を定量化する統計手法を考案し、実際にデータから各々の重要度を推定するための計算アルゴリズムを開発した。加えて、提案手法を実際の死因聞き取り調査データを用いた実証分析へと応用し、症状・病歴などの質問項目の重要度の推定を行った。分析結果として、早産や低体重などの要因に加え、人口学的情報である年齢・性別が死因との関連性が高いことを明らかにした。
ベイズ統計学
先行研究において個々の質問項目と死因の関連性の強さについて議論が行われてきたが、本研究課題では、他の質問との情報の重複を除外した上で、個々の質問項目が死因に関して持つ固有の情報量を計算した点に独自性がある。提案手法を活用することで、今後行われる死因の聞き取り調査において、質問表から重要度の低い質問項目を減らす、逆に重要度の高い症状に関しては新たな項目を加えることにより、死因分布の分析精度が向上する可能性がある。