近年の研究によると、気候変動は人間の心理・行動や経済活動に、少なくとも短期的には影響を及ぼすことがわかっている。しかしながら、気候変動が長期的に経済発展に及ぼす影響やそのメカニズムについてはほとんど明らかになっていなかった。その意味で、本研究がユニークな歴史・地理データを構築し、計量分析を通じてこれまで指摘されていなかったメカニズムを明らかにしたことの学術的意義は大きい。また、本プロジェクトを通じて得られた知見は、今後の気候変動と経済社会の関係性を考える上でも十分示唆的であり、その意味で社会的意義は大きいと考えられる。
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