研究課題/領域番号 |
21K13328
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
田上 悠太 早稲田大学, 商学学術院(ビジネス・ファイナンス研究センター), 助教 (60805050)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 金融リスク / 集中不等式 / Value-at-Risk |
研究実績の概要 |
本年度は金融リスク、様々な統計モデルの分析で用いられる裾の重い確率変数の和の集中不等式の導出に関して研究を行った。また、得られた集中不等式を応用することで金融ポートフォリオのValue-at-Riskの上限の導出を行った。確率変数の和の集中不等式に関しての研究は様々行われてきている。多くの研究は確率変数の間に独立性を仮定した場合の集中不等式の導出が行われているが、確率変数間に依存性を仮定した場合の集中不等式に関しての研究もなされている。Lampert (2018)はアルファ依存係数を仮定した場合、Janson(2004)はlocal dependenceという確率変数間の依存性を仮定した場合のboundedな確率変数に関しての和の集中不等式を導出している。Janson(2004)の結果はboundedな確率変数に関しての結果であるが、金融リスクを考える場合にはboundedな確率変数では不十分な場合が多く、より裾の重い確率変数に関しての結果が必要である。そこで、本研究ではJanson(2004)のlocal dependenceを仮定した場合のboundedな確率変数の和の集中不等式の研究の拡張を行い、劣指数型確率変数に関しての結果を得た。さらに、得られたlocal dependenceを仮定した場合の確率変数の和の集中不等式に関しての結果をピアソンのファイという依存性を表す尺度を用いて確率変数間の依存性を記述した場合の結果に拡張した。結果を用いてポートフォリオのvalue-at-riskの上限の導出を行うための不等式を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画を達成できたため。今後のより拡張的な研究の礎になる基礎的な結果を得ることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、本年度に得られた結果をより一般的な場合に拡張することを計画している。劣指数型確率変数の一般化である、劣ウェイブル型確率変数やアルファ指数型確率変数などに結果を拡張することやベクトル、行列に結果を拡張すること等を計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍であり、学会出張費が不要であったため。また、英文校正等の論文執筆費用が想定より少なかったため。
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