研究実績の概要 |
広義の流動性ショックである流動性の変化に関する研究を行った。具体的には, 個別銘柄の流動性の変化を, 「マーケット流動性の変化に起因する成分」と「個別銘柄に限定された要因に起因する成分」に分解したときに, 現実の株式市場では, それぞれの成分がどのように価格付けされているのかについて明らかにすることを目的とした研究を行った。 本年度は, 研究の成果を論文に纏め, 海外の査読付きジャーナルに投稿し, 採択された。 流動性ショックに対してマーケットが過小反応していることがこれまでの研究によって明らかになり, 流動性ショックの価格付けとモメンタム効果との間に関連性がある可能性が出てきたことから, モメンタム効果に関する研究も行った。 具体的には, 一般的に用いられるモメンタム指標を分解することで, より効率的にモメンタム効果をとらえることができることが報告されているが, その分解された指標について, どのような過小反応のメカニズムが生じているのかを明らかにするという観点から研究を行った。また, これまでの多くの研究では, 一般的なモメンタム指標の効果が日本株式市場では例外的に観測されないことが報告されているが, レジデュアルモメンタムという指標を用いると日本株式市場でもモメンタム効果が観測されるという先行研究に着目した研究を行った。 本年度は, 研究の成果を論文に纏め, 海外の査読付きジャーナルに投稿した結果, 2本の論文が採択された。 研究期間全体では, 海外の査読付きジャーナルに4本論の論文が採択された。
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