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2022 年度 実施状況報告書

戦後木材海上輸送システムの歴史的変遷と日米欧関係

研究課題

研究課題/領域番号 21K13339
研究機関国立研究開発法人森林研究・整備機構

研究代表者

早舩 真智  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究員 (20781595)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード定期コンテナ船 / 欧州航路 / 取引依存度 / 木材専用船 / 環太平洋航路
研究実績の概要

本年度の研究では、1990年代以降の原木・製材貿易における輸出国・輸入国の歴史的な相互関係の変化を取引依存度の観点から把握した上で、日本の木材貿易を支える海上輸送システムの地域間の特徴・差異を明らかにすること目的として、統計情報(財務省:貿易統計、国連:UN Comtrade、FAO:FAO Yearbook of Forest Products)および既往文献調査、木材関連業者への聞き取り調査をおこなった。その結果、海上輸送におけるコンテナ定期航路の展開過程と欧米各国の日本向け木材輸出の製品化およびコンテナ使用率の上昇と国別・航路別の差異が明らかになった。
世界の原木・製材貿易の動向に注目すると、輸出国としてはカナダやロシアに加えて、欧州やニュージーランドといった人工林造成地域が台頭し、輸入国としては中国が圧倒的なシェアを占めるに至り、国際市場における木材輸入国としての日本の影響力が低下してきたことが把握された。日本の海上輸送システムにおいては、丸太は環太平洋航路での木材専用船、製材品は環太平洋および欧州航路の定期コンテナ船の利用が主となってきたが、特に製材品輸送におけるコンテナ利用は欧州航路を主として2000年代に急激に普及し、木材の多頻度少量輸送が一般化してきたといえる。他方で、コンテナ取引量の不均衡、港湾のストライキやCovid19による業務停止、スエズ運河等の航路上の要衝でのトラブルによって海運システム全体が停滞するリスクも示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

既存の統計、文献における情報収集・整理を順調に進めることができた。また、Covid19の影響によって対面での情報収集・研究交流には制約はありつつも、聞取り調査、学会等での情報および意見交換による研究の進捗がみられた。

今後の研究の推進方策

これまでの既存統計・研究文献を踏まえて、国内外の船舶・港湾関連業者、木材関連業者への聞き取り調査を追加し、日本の木材貿易システムおよび世界の木材市場の歴史的変化についての成果発表(学会発表、論文記述等)をおこなう。

次年度使用額が生じた理由

Covid19により制約されていた現地訪問調査を次年度に実施する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] スウェーデン・フィンランド・ドイツにおける中小規模森林所有者のグループ化構造 ―PEFCグループ認証の地域性―2023

    • 著者名/発表者名
      早舩真智
    • 雑誌名

      日本森林学会誌

      巻: 105 ページ: 45~53

    • DOI

      10.4005/jjfs.105.45

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 1990年代以降における世界の原木・製材貿易と日本の海上輸送システムの変化2023

    • 著者名/発表者名
      早舩真智
    • 学会等名
      日本森林学会

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公開日: 2023-12-25  

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