研究課題/領域番号 |
21K13342
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
Ho QuangBach 東京工業大学, 工学院, 助教 (90802893)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | テレワーク / 心理的資本 / 従業員 / テクノロジー / バーチャルオフィス / ワークデザイン |
研究実績の概要 |
本研究の目的は遠隔会議を通じたポジティブ感情の共創が心理的資本の醸成に与える影響を明らかにすることである。構成主義に基づく分析によって遠隔的な相互作用を通じた従業員の成長に関する新たな学術的知見を加え経営学の発展に貢献するとともに、増加するテレワークにおける業務パフォーマンスの向上に寄与する。 令和3年度は、コロナ禍において従業員がどのようなテクノロジー需要を抱えているかとどのような働き甲斐を感じているかを明らかにするために聞き取り調査を実施した。分析結果から、テクノロジーに対する利用リテラシーを含めたテクノロジーへのアクセスが重大な需要としてあり、それを克服することで従業員の働き甲斐を飛躍的に高め得ることを明らかにした。そのための施策についても検討した。 加えて、バーチャルオフィスにおいて従業員の心理的資本が醸成される要因を同定するために質問紙調査を実施した。分析の結果、バーチャルオフィスを通じて従業員間の連帯を醸成することでテレワークが進んでも心理的資本が醸成できることを明らかにした。 さらに、家族からの仕事への干渉がどのように従業員の働き易さに作用するかを明らかにするために質問紙調査を実施した。分析結果から、家族から自律的に働けるかどうかは最新テクノロジーの利用意向を促すが、働き易さに関しては家族からの自律以上に職場での自律的なワークデザインが重要であることを明らかにした。これらの研究結果は学会予稿および英文ジャーナルに採択され、次年度以降の研究の礎となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度は文献調査を中心に、次年度に向けて分析視点を深めることを目標としていた。結果として、予定していた文献調査およびデータ収集は順調であり、2件以上の学会予稿と英文ジャーナルを出版できた。この業績から、当初の計画よりも順調に研究が進んでいるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
文献調査から、テレワークは音声通話だけでなくVR機器を用いたバーチャル空間でのインタラクションにおいても今後益々盛んになることが示唆された。メタバースというキーワードを足掛かりに、次年度以降はより広い概念での遠隔会議を対象にする必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍が終息せず、予定していた国際会議への参加が難しくなった。生じた次年度使用額は、調査費に計上し分析を深める予定である。
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