研究課題/領域番号 |
21K13350
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研究機関 | 東洋学園大学 |
研究代表者 |
安藤 拓生 東洋学園大学, 現代経営学部, 准教授 (00835209)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | デザイン・ケイパビリティ / デザイン態度 / デザイン思考 / 信念 / 動機 |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的は、広義のデザイン能力を測定するデザイン・ケイパビリティ(以下,DC)尺度の開発を行うことである。本研究課題におけるDCはデザイナーに限定されるものではなくその他の職業においても共有されていることを想定しており、①傾向性(資質・態度的側面)、②思考様式(認知的側面)、③行為(職務的側面)の三つの側面から定義される。これらの三つの関係性を数量的に明らかにすることが本研究の目指すところである。 2022年度は、(1)DCに関連するどのような能力がこれまでの先行研究の中で検討されてきたのかに関するレビューと要素の整理(上記の①、②、③に関連)と、(2)これらの能力の先行要因である信念・動機の次元の調査(上記の①、③に関連)を行った。研究(1)を通して、これまでのデザイン研究、マネジメント研究で指摘されてきた能力の整理がなされ、DCを学術的に議論するための土台が形成された。また研究(2)を通して、「新しい価値を生み出す(生み出したい)」、「喜びを与える(与えたい)」、「良くする(したい)」の三つの信念・動機を明らかにし、デザイン行為が行われるための先行要因が明確化された。 この二つの研究成果から、DCに関する包括的な理論化のヒントと、調査の成果の妥当性を高めるための示唆が得られた。加えて、これまで多くの研究が断片的ではあるもののデザインの能力に触れてきているが、その動機や信念の次元は十分に検討されていないこと、それが組織的な活動時におけるコンフリクトとどのように関連するのかに関して十分な議論がなされていないことが明らかになった。この研究成果は、DCの③行為(職務的側面)の側面において、どのような要因が個人のデザイン行為を阻害する(または促進する)のかに関する組織のレベルの議論につながるため、継続的な理論化を行なっていく必要性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度課題として挙げられた、作成された尺度に関する理論的な整理と多角的な検証を行うため、先行研究の成果の網羅的な整理と、現実の実践者に対する探索的な調査を並行し、多角的に検証を行なってきた。そのために、当初の研究計画にある②思考様式(認知的側面)のテスト開発は計画通りには進まなかった。テスト開発に関しては、現在デザイン能力を反映することのできる問題の検討と、これを測定するためのプレ調査の実験環境の設計を行なっている段階である。 一方で、当初の予定にある2023年度の質問紙調査に関する理論的な土台の形成は2021, 2022年度の研究成果によって予定通り進行している。そのため、次年度は②思考様式(認知的側面)のテスト開発と、①傾向性(資質・態度的側面)、②思考様式(認知的側面)、③行為(職務的側面)の三つの側面の関連性を調査するための多業種・多職種への質問紙調査の準備を並行して進めていく。年度の後半において最終的な調査を実施し、その結果の分析を行っていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
上記のように、2023年度は2022年度研究においては、②DCにおける思考様式(認知的側面)の測定に関するテストの開発と、①傾向性(資質・態度的側面)、②思考様式(認知的側面)、③行為(職務的側面)の三つの側面の関連性を調査するための多業種・多職種への質問紙調査を並行して進めていく予定である。2023年度の前半においてはテストの実施と分析を繰り返し、目的を達成するための適切な尺度の開発を目指す。その後、年度の後半においては本研究課題で検討した要素の関連性を明らかにする質問紙調査を行う。年度末にはこの調査分析の結果をまとめると共に、これまでの全ての研究結果を統合し研究課題の成果と限界をまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次の二つが理由として挙げられる。 ①2022年度に対面形式で実施する国際学会に参加予定であったが、新型コロナウィルス蔓延状況下であり、研究者の体調を鑑みて国際学会に参加を辞退した。このために計上した費用は、2023年度に開催される国際学会への参加で使用する予定である。 ②テスト開発のプレテストが未だ行われていないため、これに必要な人件費が使用されていない。こちらも2023年度において使用する予定である。
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