研究課題/領域番号 |
21K13362
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
高木 修一 大阪公立大学, 大学院経営学研究科, 准教授 (00803462)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 製品改良 / 製品開発 / ソフトウェア / テキストマイニング |
研究実績の概要 |
本研究の目的は製品改良の理由について解明することである。「マイナーチェンジ」や「部分改良」、「リニューアル」、「リモデル」、「バージョン変更」などの様々な言葉で表現される製品改良の理由について、学術的観点から解明することを試みるものである。 本年度は研究実施計画の通り、インタビュー調査や資料調査を中心に製品改良の理由について検討を行った。製品提供側(企業・個人開発者など)がどのような理由から製品改良を行うのかについて明らかにした。 営利企業による製品改良の理由の最たるものは需要の喚起である。ただし、市場規模の拡大、時間経過に伴う需要低下の復元、代替製品への移行防止など、詳細な意図はさまざまであった。これらに加え、法令・規制変化への対応、社内的・社外的な要求への対応なども組み合わさっていることが明確となった。一方で、個人開発のフリーソフトウェアの改良においては、非経済的利益(名誉など)や倫理観に基づくものがあることも確認できた。加えて、様々な製品がインターネットとつながることにより、製品改良自体が大きく変化しつつある状況が明確となった。このような知見は、安定的・経済的な観点から捉えられることの多かった製品改良について、そもそもの認識(研究枠組み、実践における分類など)を変更する必要性を提示するという点で、非常に重要であると考えている。 本年度の研究成果は3件(国際学会発表2件、書籍1件)である。研究計画に記載の通り、次年度以降も引き続き研究成果を適宜公開していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の通り、製品改良の理由に関するインタビュー調査や資料調査を行うことができた。これまでの研究成果および技術動向から、今後の研究方法の再検討・修正が多少は必要になりそうだが、現時点では概ね順調であると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度からは製品改良の社会認識について調査を行う。大規模言語モデル(Large Language Models:LLM)の飛躍的な発展が生じているため、研究方法の再考も行いつつ、インタビュー調査やアンケート調査を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により出張費用が予定よりも発生しなかった。また、研究の進展及び技術発展に伴い、購入する資料や機材、調査内容(規模・対象)の再検討が必要となった。次年度は、資料や機材の購入を進め、アンケート調査やデータ収集・分析を行う。
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