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2021 年度 実施状況報告書

中小企業はいかにシンボリック・マネジメントを行い外部資源を獲得するのか

研究課題

研究課題/領域番号 21K13366
研究機関和歌山大学

研究代表者

林 侑輝  和歌山大学, 経済学部, 講師 (60859841)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード産学連携 / 技術移転 / 中小企業 / 中堅企業
研究実績の概要

(1)関連する査読付き論文が『組織科学』に採択された。同論文は、大学発技術が民間企業へライセンシングされる段階に留まらず、実際に製品として上市される可能性を高める要因について、特に日本に特有の背景を考慮しながら実証的に分析したものである。同論文では、日本における大学発技術の商業化が果たされる道筋が2種類に大別されることが明らかになった。上記の発見は大企業のみならず中小・中堅企業においても同様であることも確認できており、今後の調査を比較分析していく際の重要な観点を特定することができた。
(2)中小・中堅企業の資源欠乏や資源調達、および戦略的課題に関する理論的研究を行っており、その過程で、派生的な研究計画として発展させうる論点を発見した。日本における中小・中堅企業研究への貢献が期待でき、本研究計画の枠を超えて応用可能なテーマであるため、ある程度の負担増が見込まれるが、本年度は当初計画よりも理論的研究の比重を大きくすることとした。また、この点に関する研究報告を国内学会へ応募し、採択された。
(3)企業情報データベースを用い、全国の中小企業における産学連携の実施状況について、パイロット調査を行っている。これにより、産学連携に取り組んでいる中小・中堅企業の多様性を把握することができた。先行研究との差別化を図るためにも、次年度からの調査計画に反映している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概要の(2)で述べた理由から、本年度はインタビュー調査を実施しなかったため。全体としては進捗しているが、実証的研究の初動としては想定よりも遅れており、最終的な成果の発表時期に影響が及ぶ可能性がある。

今後の研究の推進方策

2022年度は、インタビュー調査を中心に研究計画を推進する。それと併せて、理論的研究の成果を学会で発表したのち、論文として取りまとめることも予定している。
前述の通り、特許化された発明に基づく技術移転に関しては、中小・中堅企業と大企業に共通する重要な成功要因があることが、これまでの研究からわかってきており、産・学の連携目的も一致を見やすい。しかしパイロット調査として中小・中堅企業による産学連携の実績を俯瞰する限りでは、より多様な連携アプローチが行われている。従来の研究では注目されてこなかったような産学連携の事例にも焦点を当てることとしたい。

次年度使用額が生じた理由

インタビュー調査の実施時期を変更したことにより、2021年度にはビデオ会議ソフトのライセンス料や交通費、宿泊費が発生しなかったため。2022年度はインタビューを中心に計画を遂行する予定であり、ズレが一旦解消されることが見込まれる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 技術移転のハンズオン・モデル:大学発技術の上市を促進するプロセス要因の分析2021

    • 著者名/発表者名
      林侑輝、坂井貴行、山田仁一郎
    • 雑誌名

      組織科学

      巻: 早期公開 ページ: -

    • DOI

      10.11207/soshikikagaku.20211001-1

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 新聞記事は中堅企業をいかに論じてきたか:テキストマイニングによる分析2021

    • 著者名/発表者名
      林侑輝
    • 雑誌名

      和歌山大学経済学部 経済総合研究所 Working Paper Series

      巻: No.21-04 ページ: -

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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