研究課題/領域番号 |
21K13375
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研究機関 | 新潟国際情報大学 |
研究代表者 |
今井 裕紀 新潟国際情報大学, 経営情報学部, 講師 (20866529)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 不安定労働 / 相対的剥奪 / アンダーエンプロイメント / 職の不安定性 |
研究実績の概要 |
昨年実施した予備的分析の結果も踏まえ検討した結果、本研究で着目している社会的属性のうち、雇用形態について、スティグマやマイノリティ・ストレスモデル以外の視点も援用して把握することが適切と考えられた。そこで、相対的剥奪を理論的基盤の一つとする、雇用形態に関する就労者の意識を測定する尺度に着目し、当該心理尺度の日本語版を開発する研究を開始した。今年度は調査項目の作成、調査の準備を行った。調査項目は本年度中に作成し終わり、調査の実施時期についても概ね決定したので、次年度の早い段階において調査を実施する予定である。これまでに雇用形態については、不安定労働 (precarious work) と呼ばれる働き方が就労者に及ぼす影響が様々な点から研究されている。その中で、わが国において特徴的と思われるものは、長期的雇用とそうでない形態の雇用との差である。そうしたわが国の文脈を勘案したうえで、雇用形態についての就労者の意識を把握するための尺度をまずは検証することとしている。不安定労働については、職の不安定さ(job insecurity)に着目した研究が既に一定程度あるものの、雇用形態間の相対的格差についての就労者の意識は、それほど多く分析されてこなかったといえる。現段階で実施しているのは尺度の開発であるため、当初計画していたモデルの検証にはまだ至っていないが、適切な測定尺度を開発することで、その次のステップとして、それを用いたストレス等の関連性の検証が可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
社会的属性のうち雇用形態に主に焦点を当てることになったが、今年度ではそのテーマについて複数回の調査を計画し、その準備をほぼ終えたので、その意味ではおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
現段階では雇用形態に関する意識についての日本語版尺度の確立に取り組んでいるので、それが終わったのちに、当初計画したストレスや職場風土との関連を検討していくこととなる。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は調査の実施にいたらなかったので、次年度使用額が生じた。次年度(2023年度)は総額で150万円程度の調査を前期中に実施する計画をしている。
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