研究課題/領域番号 |
21K13377
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
舟津 昌平 京都産業大学, 経営学部, 助教 (60825173)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 産学連携 / イノベーション / 大学発ベンチャー / アカデミックエンゲージメント / 定性研究 |
研究実績の概要 |
2021年度の計画は、主に文献調査とインタビュー調査を行うことが中心であった。本年度の研究目的は、産学連携プロジェクトを題材として、産学連携に関わった実務家および大学研究者が、いかに制度的な多元性、つまり大学と企業が協働することによって生じるコンフリクトに対処し、アカデミックエンゲージメントを達成していたかについて明らかにすることにあった。 これに伴って、まず文献調査をおこなった。ベンチャー白書などの公的資料からは実務的な事実関係を確認する調査をおこない、またResearch Policy, Journal of Business Venturingなどの関連領域について詳しいジャーナルを中心に文献を渉猟し、理論的・実務的な整理をおこなった。また、産学連携に関するインタビューを、実務家8名(うち起業家・経営者3名、投資家1名、従業員4名)に対して9件、研究者3名(大学研究者2名、企業研究者1名)に対して4件行った。インタビューにおいては、実務家側はいかに大学の研究を活用したうえで事業を展開していくか、大学研究者側は事業側のニーズをふまえたうえでいかに自分たちの研究を進展させていくかについてを中心的に聞き取った。また、人材の流動性がいかに関係しているのか、各人のキャリアとの関係性についても聞き取りを行った。加えて、関連領域に詳しい研究者に対しての研究発表および意見交換の場を設け、専門家間でも理解をブラッシュアップすることに努めた。 また、これらの調査に関係する研究発表を、2021年度「日本ベンチャー学会」の研究発表大会において口頭で行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
10件を目標としていたインタビュー調査について、13件をおこなった。また、学会発表も達成した。
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今後の研究の推進方策 |
前年度におこなった文献調査・インタビュー調査を元に、(1)産学連携の間に生じるコンフリクトがどのようなものか、その質・量の解明、(2)これを超えて成果を得たプロセスはどのようなものであったか、そのプロセスの解明を中心的な理論課題として、引き続き文献調査とインタビュー調査をおこなう。 2022年度は、定性研究として質の高い研究に高めたうえで、研究を世界的に発信するため、欧州経営学会(EGOS)、米国経営学会(AoM)などで発表する予定とする。その他、日本経営学会、日本ベンチャー学会など、関連の国内学会においても研究発表し、研究内容をブラッシュアップしていくことをめざす。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定されたインタビューがキャンセルされ、関連する書き起こし・出張旅費が必要なくなったため。インタビューは次年度におこなう予定である。
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