研究課題/領域番号 |
21K13384
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研究機関 | 桜美林大学 |
研究代表者 |
宮本 文幸 桜美林大学, ビジネスマネジメント学群, 准教授 (80826933)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 消費者心理 / 製品デザイン / (モノの)擬人化 / イメージ・モチーフ / 化粧品 / パッケージ |
研究実績の概要 |
当研究は、市場の需要喚起のトリガーとなるイメージ・モチーフ(商品コンセプトを象徴する具体的テーマ)の実用化研究である。そのために次の3つの研究課題を設定している。①複数の商品カテゴリーにおける理論的特質の解明(製品形状に対する消費者の擬人化認識の法則性やメカニズムの解明等)、②米国・中国・日本の各文化圏における消費者メカニズムの特質の解明、③これらを包括する日本流「観念美デザイン」の理論モデルの精緻化(パネル数規模の拡大・リアルな刺激材料の採用による実験と分析)、の主に3つである。 2022年度は、①について化粧品を対象に追加の調査・実験・分析、②について米国対象の調査・実験・分析を行った。 まず①については、様々な製品形状が混在する化粧品におけるⅰ)消費者の擬人化認識の方略(製品形状をどのように人や顔に見立てるか)、ⅱ)擬人化を促進するデザインによる購買意向への影響度(擬人化を認識しやすいと買いたくなるか)、ⅲ)製品形状や色によるブランド・パーソナリティー認識への影響(形や色で製品の性格やイメージがどう変わるか)を明らかにするため、昨年度にFGI調査および4つの実験とデータ分析を行ったが、一部残された課題(キャップデザインによる顔認識の効果測定など)を解消するため12月に追加実験を実施した。うちⅰ)の結果がまとまり、論文を執筆・投稿し2023年3月に学会誌『商品研究』に掲載となった。ⅲ)については論文執筆がひとまずまとまり、2023年度に学会誌に投稿予定である。 ②については8月に米国女性を対象にした実験を実施し分析を行った。この結果は2023年5月の異文化経営学会で発表の予定である。 以上、論文は1報が査読を通過し掲載、1報が近日投稿予定である。また当研究のこれまでの集大成となる実務者向け書籍『ゼロ・プロモーション・マーケティング』が7月に出版された。学会発表は3回実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当研究の研究課題は、①複数の商品カテゴリーにおける理論的特質の解明(主に様々な製品形状に対する消費者の擬人化認識の法則性やメカニズムの解明)、②米国・中国・日本の各文化圏における消費者メカニズムの特質の解明、③これらを包括する日本流「観念美デザイン」の理論モデルの精緻化(パネル数規模の拡大・リアルな刺激材料の採用による実験と分析)、の主に3つである。 2022年度、①は化粧品カテゴリーにおいて概ね全範囲の実験が完了し分析も実施しているが、擬人化と消費者への購買促進効果との関係の解明が予想以上に困難であることが見えてきており、来年以降も研究を継続する必要が予測される状況にある。②については実験と分析がひとまずまとまり約80%の進度である。③については予備実験が完了し分析を進めているが、3か年の到達目標に対して約50%が終了した状況である。したがって①~③を同等のウエイトと想定するなら3か年の全到達目標の半分程度が終了したと考えられ、予定より遅れぎみの進捗と考える。
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今後の研究の推進方策 |
当研究の研究課題は、①複数の商品カテゴリーにおける理論的特質の解明(主に様々な製品形状に対する消費者の擬人化認識の法則性やメカニズムの解明)、②米国・中国・日本の各文化圏における消費者メカニズムの特質の解明、③これらを包括する日本流「観念美デザイン」の理論モデルの精緻化(パネル数規模の拡大・リアルな刺激材料の採用による実験と分析)、の主に3つである。 今後、①は2023年度に化粧品カテゴリーでの完了を目指すこととし、飲料・家電製品の2つのカテゴリーは2024年度以降に延期する。②は日・米・中の比較分析と論文執筆を2023年度中に完了させる。③は2023年度に予算内で可能な追加実験を計画、実施する。 以上の計画に沿って進めることにより、当初の3か年の研究計画の優先課題を遂行する。
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備考 |
これまでの研究成果の実務活用促進のため、同タイトルの書籍出版にあわせてWEBホームページを作成。
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