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2021 年度 実施状況報告書

購買行動プロセスにおけるソーシャルメディア情報を用いた消費者行動モデルの検討

研究課題

研究課題/領域番号 21K13385
研究機関東海大学

研究代表者

大竹 恒平  東海大学, 情報通信学部, 助教 (10780520)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードソーシャルメディア / マーケティング / 消費者行動 / 社会ネットワーク / 消費者コミュニティ
研究実績の概要

令和3年度は,昨今のソーシャルメディア・マーケティングの文脈において,ソーシャルメディアの活用方法や,マーケティング施策の実施に際しての課題を明らかにすることを目的に,体系的な調査を行った.具体的には,ECサイト事業者や小売業を営む企業のマーケティング分析官を対象に,ソーシャルメディアのマーケティング活動への利用状況や,ソーシャルメディア情報の活用に関する問題点・課題,把握しているソーシャルメディア利用者の特性などについて,ヒアリングを通じて課題を抽出した.加えて,学術論文やプロシーディングスを中心としたサーベイを行い,最新の研究動向について調査を行った.
また,ソーシャルメディア上に形成されているコミュニティに着目し,複数のブランド間の比較を通じてコミュニティ構造の評価を行った.具体的には,6つのコスメブランドを対象とし,ユーザのフォロー・フォロワー関係を用いたネットワークを構築し,社会ネットワーク分析のフレームワークを用いたコミュニティ構造の理解を試みた.その結果,3種類の異なるコミュニティ構造に分類可能であること,特定のコミュニティにおいて強い影響力を有する,マイクロインフルエンサーの存在が明らかになり,ソーシャルメディアを用いた広告戦略において有益な知見が得られた.
さらに,協力企業より,ID付きPOSデータ並びに,会員データの一部について提供を受け,来年度以降の消費者行動モデルの作成に向けた,データの基礎集計並びに予備分析を行った.
今年度の研究成果は国内及び国外査読付き論文並びに,フルペーパー公開のある査読付き国際会議において,発表を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和3年度は,ソーシャルメディア・マーケティングに関する現状調査及び,関連研究に関するサーベイを行い,最新の動向や消費者行動研究のレビューに取り組むことができた.また,協力企業とのディスカッションを通じ,ビジネス上の問題点や課題の抽出ができた.これらの取り組みを通じ,学術及び実務の両側面から,今後取り組むべき方向性について検討した.
また,協力企業から提供を受けるデータの内容についてはおおむね想定通りであり,現在最終的な調整を行っている.加えて,一部提供を受けたデータの分析結果から,消費者行動の評価モデルを作成する上で,十分に利用可能であることが分かった.
令和4年度以降は,ソーシャルメディア情報を新たに取得する予定である.データの取得に用いるプログラム(クローラー)については本年度作成済みであり,現在データの取得テストを開始している.

今後の研究の推進方策

今年度は,昨年度の調査により抽出した,学術上及び実務上の現状と問題点と今後の課題,最新の研究動向,本年度実施した基礎分析の結果を踏まえ,モデル分析に用いる情報の検討を試みる.
具体的には,ECサイト上のID付きPOSデータ並びに会員データ,ソーシャルメディア情報に関するデータを用い,消費者行動の評価モデルに利用可能な特徴量を選定する.特に,購買パターンの変化や,ブランドスイッチなど,定常的な購買パターンから逸脱する状況について測定し,これらを特徴量として表現する方法について検討する.また,取得したソーシャルメディア情報を用いて,消費者コミュニティの構造分析や,サブコミュニティにおける話題の遷移,マイクロインフルエンサーの特定など,コミュニティ情報に着目した,ソーシャルメディア・マーケティングに関する知見の獲得に,引き続き取り組む.
これらの研究活動により得られた成果は,随時公開していく予定である.

次年度使用額が生じた理由

昨年度設備備品費として計上した,大規模データ分析用PCについては,コロナウイルスの世界的な蔓延に伴う半導体不足の影響で,予算内での想定していたスペックの入手が困難であると判断したため,本年度再検討することとした.また,人件費・謝金として計上したデータ入力・プログラム補助については,コロナ禍における学生の通学自粛,研究室滞在時間の短縮などの影響から,本年度の依頼は避けた.その他明細として計上した,学会参加費については,発表予定であった学会がオンライン開催に移行したため,現地参加ができず,隣接分野の研究者との情報共有という観点から,本年度現地で開催される学会にシフトした.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Evaluation of Consumer Network Structure for Cosmetic Brands on Twitter2022

    • 著者名/発表者名
      Kitajima Yuzuki、Otake Kohei、Namatame Takashi
    • 雑誌名

      International Journal of Advanced Computer Science and Applications

      巻: 13 ページ: 46-55

    • DOI

      10.14569/IJACSA.2022.0130206

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Research on the Relationship between Exploratory Behavior and Consumer Values using Eye Tracking Gaze Data2021

    • 著者名/発表者名
      Nonaka Mei、Otake Kohei、Namatame Takashi
    • 雑誌名

      International Journal of Advanced Computer Science and Applications

      巻: 12 ページ: 9-16

    • DOI

      10.14569/IJACSA.2021.0120802

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Estimation of Consumer Needs Using Review Data in Hotel Industry2021

    • 著者名/発表者名
      Miyake Shin、Otake Kohei、Uetake Tomofumi、Namatame Takashi
    • 雑誌名

      HCI International 2021 - Late Breaking Posters

      巻: 1421 ページ: 550~557

    • DOI

      10.1007/978-3-030-90179-0_71

    • 査読あり
  • [学会発表] ブランドを対象としたTwitter上の消費者ネットワーク構造の評価2021

    • 著者名/発表者名
      北嶋弓月、 大竹恒平、生田目 崇
    • 学会等名
      日本マーケテイング・サイエンス学会 第110回研究大会

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公開日: 2022-12-28  

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