研究課題/領域番号 |
21K13389
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
寺嶋 正尚 神奈川大学, 経済学部, 教授 (70520766)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 花き / 花卉 / 花き流通 / 花卉流通 / 取引制度 / 提供機能 |
研究実績の概要 |
近年花卉を取り巻く環境は、大きく様変わりしつつある。その1つが、2020年6月に施行された改正卸売市場法の施行である。法改正の主なポイントは、①「第三者販売の原則禁止」の廃止、②「直荷引きの原則禁止」の廃止、③「商物一致の原則」の廃止、④中央卸売市場を民間業者も開設可能になった、の4点である。 これにより花卉卸売業は、仲卸業や買参人を中抜きして、直接小売業に花卉を販売することが可能になった。一方仲卸業は、これまで同一市場内の卸売業を経由し花卉を仕入れることが義務付けられていたが、卸売業の中抜きが可能になった。また生産者が出荷した花卉は、これまで商流上も物流上も卸売市場(卸売業)を経由させることが義務付けられていた(市場外流通を除く)が、それが緩和された。 このように花卉流通に関する機能の担い手が大きく変わろうとしている。本研究はこうした認識のもと、花卉卸売業は現状産地や花卉小売業に対してどのような機能を提供しているか、また提供することを期待されているか、それに対して卸売業の現状はどうか、等について考察するものである。 現在の進捗状況であるが、昨年度(2021年度)は、3か年の研究の初年度にあたる。主としてインタビュー調査をもとに考察した。研究成果は2本の論文(うち1本は現在投稿中。投稿中論文に関しては、寺嶋正尚・桐生進「花卉卸売業による取引制度改定が花卉取引に与える影響」(日本物流学会誌30、日本物流学会、2022年6月予定、審査付論文。現在は条件付き合格の段階)、1本の学会発表に整理した。掲載済論文及び学会発表に関しては、別欄に記した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度における研究は、主として事業者へのインタビュー調査に基づくものである。コロナ禍の緊急事態宣言の発令等の影響を受け、当初予定していたインタビュー調査の時期が数か月遅れることとなったが、いずれもコロナが落ち着いた時期にリスケジューリングし、無事に調査研究を行うことが出来た。 具体的なインタビュー先としては、①株式会社大田花き(東京都大田区)、②株式会社大田花き花の生活研究所(東京都大田区)、③株式会社宇都宮花き(栃木県宇都宮市)、④株式会社石巻花卉園芸(宮城県東松島市)、⑤有限会社三宅花卉園(千葉県茂原市)の5社。企業によっては複数回のインタビューを実施した。 ここでの探索的アプローチをもとに、2年目における産地向け及び小売業向けアンケート調査を実施する予定である。初年度においては、そのアンケート調査の項目について検討を行うところまで実施した。
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今後の研究の推進方策 |
初年度における現状分析(花卉卸売業の実態把握)を踏まえ、2年目にあたる2022年度は、花卉小売業及び花卉産地に対し、アンケート調査を実施する予定である。産地や小売業は、取引先卸売業や仲卸業によりどのような機能を提供され、またどのような機能提供を望んでいるか、統計的に分析し、考察する。 さらにそこで得られた分析結果をもとに、花卉卸売業、産地、小売業に対しインタビュー調査を行い、アンケート調査の分析結果の背景にある要因などを深堀りする。 最終年度にあたる2023年度は、1年目及び2年目の研究成果をもとに、卸売業に対しインタビュー調査を行い、こうした結果を踏まえ、産地や小売業に対し、どのような対応の方向が考えられるか、考察する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
差額が生じた主な理由は旅費に関するものであるが、2021年度においてはコロナ禍により、インタビュー先を自由に訪問することが出来ず、研究に必要な最小のものにとどめたため。なお2021年度に予定していて、行わなかったインタビューの一部は2022年度に行う予定であり、旅費として使用する予定である。
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