研究課題
若手研究
本研究では、寄付対象国の違いによってCRMの影響がどのように変化するのかに関して日本人を対象に検証を行った。分析は選択型コンジョイント分析により行った。分析の結果、日本よりも心理的距離を遠いと知覚している国がCRMの寄付対象として設定されている場合、CRM単独の商品選択への効果はネガティブなものとなることが確認された。しかし、そのような国に対しても心理的距離を近いと感じていれば、ポジティブな効果に転じる可能性があることをも確認された。
マーケティング
CRMの効果に関する研究は、企業あるいは商品の購買態度へのポジティブな効果に焦点を当てたものとネガティブな効果に焦点を当てたものが存在している。本研究は後者の立場に立ち、日本人を対象に検証を行っており、必ずしも日本人を対象にCRMがポジティブな効果をもたらすものではないことを示したことにおいて学術的意義がある。また、SDGsに取り組む日本の企業が増えている現状の中、日本人が本当にCRMに対してポジティブな反応を示すのかどうかを検証することは社会的に意義があり、本研究ではその一端を担っている。