研究課題/領域番号 |
21K13398
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
高須 悠介 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (40757374)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 有価証券報告書 / HTML / 役員の状況 / 取締役 / 監査役 / コーポレートガバナンス |
研究実績の概要 |
2021年度は研究計画に従って,有価証券報告書の「役員の状況」のHTMLファイルを解析し,ブラウザ上で表示される役員の状況に関する表をCSVファイルに変換するプログラムの開発を行った。その結果,2004年3月期~2020年3月期までに提出された各企業の有価証券報告書61,748ファイルを統一的に処理することに成功している。この処理によって,各企業の取締役や監査役の氏名,生年月日,略歴,所有株式数などを機械的に容易に集計できるため,これらデータの社会的な活用を促進することが可能になると考えられる。本データの質に関する妥当性検証を行った結果からは,既存の商業データベースを活用した先行研究の発見事項に関して本データベースを用いて追試を行った場合でも同等の分析結果が得られている。本分析結果ならびに本プログラムの概要に関しては,横浜経営研究において公表している。なお,本プログラムは公開を予定しているが,現在は権利関連の手続きを進めており,プログラムの公開は2022年度中を見込んでいる。 また,さらなるデータの活用として役員の状況に付されている注記を活用するプログラムの開発も進行しており,このプログラムによって社外役員情報や各役員の任期情報もまた利用可能となる。当該追加プログラムを使った分析から得られた分析結果に関しては,ワーキングペーパーにまとめ,台湾会計学会において報告を行った。当該研究は加筆修正の上で2022年度中の海外ジャーナルへの投稿を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に沿って,役員の状況に関する処理プログラムの公開に目処がついており,またその出力結果を用いた研究も進展しているため。
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今後の研究の推進方策 |
現時点までに完成しているプログラムの公開手続きを進めるとともに,研究論文として投稿・掲載を目指す。また,役員の状況以外にもデータベース化の対象を拡大する。
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次年度使用額が生じた理由 |
①コロナ禍により海外学会への渡航が制限されていたため。②アルバイトを雇用せずにデータチェックを行うことができたため。2022年度以降の旅費および人件費として支出を予定している。
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