研究課題/領域番号 |
21K13408
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研究機関 | 就実大学 |
研究代表者 |
王 睿 就実大学, 経営学部, 講師 (70844372)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 環境ディスクロージャー / 国際比較 / 制度的要因 / 制度論 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は先進国および発展途上国企業の環境ディスクロージャーの現状と特徴を考察して、環境ディスクロージャーの国際比較を行い、発展途上国の環境ディスクロージャー将来発展の方向や実践を検討していく。 前年度では、中国企業の文化的な制度要因を詳しく考察した。文献レビューを分析した結果、宗教文化という非公式的な制度要因が企業のCSR活動に潜在的な影響を示した。 今年度は、19篇の実証研究のレビューおよび内容分析を踏まえ、企業の環境情報開示の動機および決定要因を内部と外部の2つの観点から考察し、先進国、新興国、発展途上国およびグローバルな国・地域における環境情報開示の特徴と相違点を明らかにした。分析結果によると、先進国、新興国、発展途上国、いずれの国・地域においても、法規制の圧力が環境情報開示の主な外部要因である。強い統治体制の国・地域の企業は、環境情報開示により積極的に取り組む可能性がある。内部要因から見ると、先進国と新興国の双方において、環境パフォーマンスが良くない企業の方が、より質の高い環境情報を提供する傾向がある。また、業界や上場・非上場等の企業の属性により、先進国と新興国の企業の環境情報開示レベルは異なる。さらに、新興国の中国においては、政治的つながりが企業の環境情報開示に大きな影響を与えている。グローバル企業においては、管理環境革新および自己制御メカニズムの導入が、企業の環境情報開示の重要な推進要因の一つとなっている。この研究成果が就実大学経営学会の『就実経営研究』で掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度の研究計画は、やや遅れている。中国企業の環境ディスクロージャーのデータ収集には予定以上の時間がかかった。また、データの確認や検証を行う必要があるので、進捗がやや遅れる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究結果に基ついて、今後は企業データの収集・確認・検証を行い、実証分析を進める予定である。また、ESGやSDGsに対する議論も行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
企業データの収集がやや遅れているため、次年度では、データの収集、学会発表や論文校閲などに活用する。
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