本研究の意義は、より良い公共空間を創造する実践について、社会学的な観点からの理論的整理と実証的把握を行った点にある。近年プレイスメイキング論に代表されるように、海外からの先進的な実践が注目、紹介されているが、日本の文脈でそうした実践が展開する為には、理論的な整理と共に、先駆的な実践の実際的な成果や課題を明らかにする必要がある。そこで本研究では、先駆的な事例である下北沢地域の事例に焦点を当て、既存の議論においては暗黙視されていた、公共空間の再編におけるセクター間の「協働」の動態的な様相について「生産」「レジーム」「過程」の観点から分析を行った。この論点は他地域の実践においても重要な論点となる。
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