研究課題/領域番号 |
21K13426
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
本多 真隆 明星大学, 人文学部, 准教授 (60782290)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 近代家族 / セクシュアリティ / 民主主義 / 戦後史 / 夫婦関係 / 恋愛 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、戦前期の家族規範からの転換が目指された、1945~60年代における夫婦関係、特に性愛と「民主主義」に関する議論を追跡し、「日本型近代家族」の情緒的関係に関する基礎的視角を導出することである。その調査は、[調査①]性愛関係、パートナーシップ関係と「民主主義」に関する近年の国内外の諸研究に関する文献研究を通して、論点を整理し、戦後日本の民主化論との接合点を検討する、[調査②]1945~60年代の学術的、規範的な家族論において、夫婦の性愛関係と「民主主義」がどのように論じられ、戦前期の家族規範の再編に連なったかを明らかにする、[調査③]1945~60年代の一般書や大衆誌等のマスメディアにおいて、夫婦の性愛関係と「民主主義」がどのように描かれ、一般読者に受容されていたかを明らかにする、の3点から行われる。 2021年度は[調査①]と[調査②]を中心に進めた。[調査①]の文献収集と分析は順調に進んでいたが、[調査②]の資料収集が当初の予定以上に進み、発表可能と判断したため、[調査②]に関する学会報告と論文執筆を進めた。 [調査②]の資料収集では、戦後初期の民主化論、特にマルクス主義の立場に立った論者たちの恋愛論および性愛論に着目した。彼らの議論は近現代日本の恋愛言説、性愛言説でも重要な位置にあり、また戦後の「民主主義」を語る上でも不可欠である。資料収集は国会図書館を中心に行い、近現代日本の恋愛論、性愛論におけるその立ち位置をテーマとした論文を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
[調査1]の文献収集は順調に進み、[調査2]に関しては2つの学会報告と1本の投稿論文の執筆を行った。論文は掲載可となり、他の論文の執筆も準備中である。 以上から、一定以上の成果は達成できたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、[調査1]の分析と[調査2]の成果発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
古書店の活用などにより、資料収集費が見積もりより少なくなった。余った費用は、さらなる資料収集に活用する。
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