本研究では、移民がホスト社会に抱くアイデンティフィケーション(愛着とも)を、いかにホスト社会の国民が認識するかを検証した。イギリスにおいて質問紙実験を行った結果、ホスト社会の国民は、経済的な側面や文化的な側面に基づいてアイデンティフィケーションの認識を行うわけではなく、社会的な側面に基づいてアイデンティフィケーション認識を行うのだということが主に明らかとなった。また追加の実験を行ったところ、移民の社会関係は排外主義その者に対しても効果を持ち、イギリス人の友人をもつことが排外主義を有意に下げる一方で、移民にとっての自集団の友人は排外主義とは関連がないことも明らかとなった。
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