研究課題/領域番号 |
21K13445
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
近藤 和都 大東文化大学, 社会学部, 講師 (10830359)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | レンタルビデオ / プラットフォーム / メディア流通 / 海賊版 / 著作権 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、定額制動画配信プラットフォーム(Netflix、Amazon Prime Video等)の隆盛を背景に姿を消しつつあるレンタルビデオ店を対象として、そのメディア文化史的意義を明らかにすることにある。加えて、レンタルビデオ店と定額制動画配信プラットフォームの間にあるメディア文化史的な連続性に光を当てることも目指される。こうした観点から初年度にあたる2021年度は、レンタルビデオ関連雑誌の収集、レンタルビデオ店へのフィールドワークを行った。 特に、レンタルビデオ店が大規模化するプロセスと、そうした大規模店舗を利用する経験のあり方に焦点を当てて分析をした。具体的には以下のことを明らかにした。初期店舗では海賊版ソフトを扱うケースが多く、またポルノソフトが主力商品として提示されていたこともあり、男性向けのアングラな雰囲気が漂っていた。そうした時期を脱し、多様な人びとから利用される店舗へと転換するプロセスでは、新しい展示方法、法改正、店内設計の変容等多くの実践が伴った。また1店舗あたりの収容ソフト数が増加すると、利用者は大量の選択肢から適切なソフトを選択しなければならなかった。そこで活用されたのが、大量の選択肢をソートして提示する専門雑誌だった。こうして1980年代後半に、その後のレンタルビデオ店のあり方およびそれをめぐる文化の原型となる形式が成立していった。これらの成果は投稿論文、書籍への論文執筆によって公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナの影響もあり、フィールドワークについてはやや課題を残したものの、資料の収集および分析は順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、DVDが登場してからのレンタルビデオ店の変容を視野に入れて分析を進めていく。加えて、レンタルビデオ店の経営に関与していた・している人びとへのインタビュー調査を随時行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初は複数の地域に調査する予定があり、そのための旅費を申請していた。しかしながら、コロナの関係から調査が行えなかったこともあり、次年度に繰り越すにいたった。本年度は、昨年度行えなかった地域への調査を複数回行う予定である。
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