研究課題/領域番号 |
21K13446
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
伊藤 大将 東洋大学, 国際学部, 助教 (70758664)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ウェブ調査 / クラウドソース / 代表性 / アンケートデータ / 国際比較 |
研究実績の概要 |
研究初年度(2021年度)の主な目的は、質問紙を作成することだった。確率抽出を用いて回収した調査と本研究で回収するデータを比較するためには、同じ質問と選択肢を使って尋ねる必要がある。2020年と2021年に米国で実施されたGeneral Social Survey、日本で2021年10月に実施された社会生活基本調査から質問を抽出し、調査票を作成した。同じ質問と選択肢を使用することに加え、同時期にデータを回収することが望ましいが、確率抽出を用いたデータの回収が行われる前に使用した質問紙が公開されることは少なく、本調査のデータ回収を確率抽出を用いたデータ回収と同時期に行うことは難しい。よって、生活時間といった質問の使用は断念し、新型コロナウイルスといった社会情勢に影響を受けにくい質問のみを用いて比較検討する。作成した調査票は、それぞれ英語と日本語のネイティブにチェックをしてもらい、答えやすさを確認した。調査にかかる費用により設問の量を変更する必要はあるかもしれないが、おおむね計画通りに質問紙は完成した。 質問紙の完成が本研究年度の主たる計画であったため、本経費を用いて実施した調査を使用した学会報告や論文等はないが、本調査で用いる予定であった生活時間に関する分析の結果や国際比較調査に関する知見、Web調査を用いて回収したデータの分析結果を学会で発表した。またアメリカ社会学会とNational Council on Family Researchの年次大会に参加し、米国でのコロナ禍でのアンケート調査の実施に関する知見を得た。別の研究費を用い年度末にはオンライン調査会社を通して日本でアンケートを実施し、次年度実施予定の本調査の打ち合わせも行った。関連科研においては、同じ質問項目を用い、日米でWeb調査を実施し、回収したデータの分析を実施中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、質問紙の作成に加え、倫理委員会の審査の通過と米国でクラウドソーシングを用いたパイロット調査の実施も予定していた。しかし、米国での新型コロナウイルス拡大のため、2020年に実施予定だったGeneral Social Surveyの実施が2021年初旬にずれ、データと調査票の開示が2021年11月までされなかったこと、所属機関の異動が見込まれていたことで、実施が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度の初めには、新しい所属機関にて質問紙を倫理委員会で審査してもらい、アンケートのオンライン化、米国でクラウドソーシングを用いたデータ回収のパイロット調査を実施する。パイロット調査で得たデータを分析し、本年度後半に実施する本調査に反映させるとともに、パイロット調査の結果は年度末に開かれる学会での報告を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請時には、日米の学会への参加を予定していたが、どちらの学会もオンラインでの実施となり、旅費を使用しなかった。その代わりにパイロット調査を実施予定だったが、新型コロナウイルスの拡大により、米国General Social Surveyの調査票の開示が遅れ、実施できなかった。次年度の初旬に小規模のパイロット調査を実施するとともに、本調査にかかる費用に割り当て、適切に執行する。
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