研究課題/領域番号 |
21K13465
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研究機関 | 白百合女子大学 |
研究代表者 |
堀口 康太 白百合女子大学, 人間総合学部, 准教授 (80808626)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 児童家庭支援センター / タイムスタディ / 関係機関連携 |
研究実績の概要 |
1.前年度からの研究成果公表 児童家庭支援センターの職員を対象とした聞き取り調査を実施し、センターの役割を明確にするため、センターのタイプを分類して整理することを試みた。研究を通して、「教育・医療・障害福祉の関係機関との綿密な連携によって,育成・障害・性格行動を中心に対応しているタイプ」と「地域支援や子育て短期支援事業で相談ニーズをキャッチし,市町村や児相の足りない部分を補いながら,密接でさまざまな役割分担を構築し,養護相談を中心に数多くの相談へと応じているタイプ」の2つに分類することができ、役割を明確にするために関係機関との顔の見える関係を作ったり、綿密な情報共有をしていることが示された。本内容は学術論文として投稿、本年7月と来年3月に公刊予定である。
2.タイムスタディの実施 児童家庭支援センターの職員を対象としたタイムスタディに取り掛かった。上記2つのタイプの特徴を有しているセンターに調査依頼を行い、実際に調査を実施できた。得られたデータについて、分析を行ったところ、先に掲げた前者のタイプより後者の方が関係機関等との連携・連絡調整,センター内での面接,関係機関訪問(連携目的)に多くの時間を要していることが示された。関係機関連携の8割以上は児童相談所、子ども家庭センター、学校等で占められ、子どもや保護者と関係機関との関係性やそれぞれの関係機関の専門性に基づいて役割分担をしていた。特に養護相談の連携先としては、児童相談所や子ども家庭センターが多く、育成相談の連携先としては、学校等の教育機関が多かった。センターは求められている支援や地域のニーズをキャッチし、その地域に必要な支援に取り組んでいることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、センターへのタイムスタディの依頼を行い、実際に調査を開始することができているため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、タイムスタディから得られた調査データを用いて、学会発表、論文執筆等を実施する。加えて、全国児童家庭支援センター協議会とも連携し、より多くのセンター職員に研究知見が届くよう、研究から得られたデータを還元する方法について協議する。協議結果に応じて、全国研修、関連学会等で、本研究の知見を現場に還元していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの流行と同時に本研究が始まったため、当初の想定以上に出張旅費(聞き取り調査、タイムスタディ等に用いるための)がかからなかったことが理由である。今後は、さらなる調査の実施、研究成果のフィードバック等のための出張旅費、学会発表のための出張旅費、それらに係る消耗品費、論文投稿のため費用として、使用する予定である。
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