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2021 年度 実施状況報告書

ろう者学の知見を反映したソーシャルワーク教育に関する実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K13467
研究機関日本社会事業大学

研究代表者

高山 亨太  日本社会事業大学, 付置研究所, 研究員 (00869919)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードろう者学 / ソーシャルワーク教育 / カリキュラム / ろう文化ソーシャルワーク / ろう・難聴者 / 養成プログラム / ソーシャルワーカー
研究実績の概要

本研究は、ろう・難聴者に関わるソーシャルワーカーを養成するためのカリキュラムの効果を測定するものである。特に、ろう文化ソーシャルワークについて論じた高山亨太(2019)のカリキュラムについて、①ソーシャルワーク実践の実地での経験知と合致するのか、②どのようなテキストや内容が求められているのか、③ろう文化ソーシャルワークカリキュラムの効果測定はどのように可能なのか、④ろう文化ソーシャルワークカリキュラムの効果はあるのか、の4点が学術的問いの核心である。
まず、初年度は、特に②どのようなテキストな内容が求められているのか、を文献調査を通して整理した。髙山(2019)でも紹介した「言語剥奪」と「オーディズム」の理解がろう者に関わるソーシャルワーカーにとって重要な知識であることを再確認した。しかしながら、ろう者学や言語剥奪に関する啓発教材が国内ではほぼ皆無であることから、言語剥奪とオーディズムの英文原著の日本語訳の作業を実施した。日本語訳の作業にあたっては、著者に直接連絡を取り、翻訳許可を得ることができた。また、日本語訳にあたっての留意点や新たな知見に関する助言などをいただくことができた。ろう者に関わるソーシャルワーカーがろう文化やろう者の問題について理解するためには、それらの背景にある社会構造的問題やイデオロギーについて理解することが前提となる。ろう者が直面する問題としての言語剥奪及びオーディズムの理解なくして、円滑なソーシャルワーク実践は困難なのである。そして、ろう者に対するソーシャルワークアプローチが結果的に、ろう者を抑圧し、差別やイデオロギーを再生産する構造であることを理解することが重要なのである。このようなことを論じた先行研究が国内にはないことがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍でろう者を対象としたソーシャルワーク実践の現場における参与観察やインタビューなどには支障があったが、初年度は、先行研究や各種カリキュラムを調査することで研究は進んだ。

今後の研究の推進方策

研究の計画に変更はない。ろう者学のカリキュラムを精査し、必要な啓発教材資料の開発を実施する。また、ろう・難聴当事者ソーシャルワーカーを対象としたインタビュー調査を通して、カリキュラムに関する評価事業を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により、インタビュー計画が実施できなかったため次年度使用額が生じた。次年度は、予定しているインタビュー実施計画の予定を着実に進めることで次年度使用額が生じないように進めていく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 その他

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Deaf Community and DiDRR: Supporting a Twin-Track Approach2022

    • 著者名/発表者名
      Leyla Craig, Dr. Audrey Cooper, Dr. Kota Takayama & Herbert Klein
    • 学会等名
      Pacific Rim International Conference on Disability and Diversity
    • 国際学会
  • [備考] 言語剥奪症候群

    • URL

      https://sites.google.com/view/rounabi/gengohakudatsu

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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