本研究では、①我が国の障害者の就職支援を行う就労移行支援事業所の就職率が、高い事業所ほど就労困難な障害者を受け入れているとは限らなかった。②追跡調査では重症度の高い精神障害者でIPS支援を受けた者は、当初の就職の継続に差異があった。現在はより自身の希望する仕事に就けていた。前回調査よりも長い期間働くことができていた。IPSの支援で、自分自身が認められた障害者は、支援が心の糧となっていたことが明らかとなった。③障害者の雇用をしている企業は、合理的な配慮に悩んでおり、合理的な配慮の意味の理解が課題であることが認められた。
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