セッション中の会話・シークエンス分析の結果からは,夫婦のアタッチメントニーズを検討する際には,それぞれのニーズの発信スタイルを共有し,チームとしてどのように解決していくとよいのかといったパートナーシップを高めていく方略を含めることが重要である(Inagaki, 2023; 稲垣,2023)。これは構造化された短期セラピーセッション,そして,トラウマに配慮したアプローチという観点からも有用である。夫婦が家族全体のアタッチメントニーズを考え,親・夫婦として共有していく具体的な取り決めとしての「子育て協定」に結実していく可能性などが示唆され,両親夫婦システムの介入の視点を提起した。
|