自然由来乳酸菌で発酵させる生もと系清酒について、特徴的な香気成分の解明を試みた。SA-SBSE-GC-O/MSを活用し、清酒中の極性香気成分を高感度検出し、ヒトの鼻で匂いを嗅ぎ取ることで、清酒の香気形成への寄与度が高い45の香気成分ピークを特定した。続いて、同じ酒蔵由来の生もと系と速醸系の清酒ペア3組(全6試料)を分析した結果、生もと系清酒は速醸系清酒よりも香気成分の種類が多い傾向であり、特に極性/親水性香気成分が多くを占めていた。さらに、11の特徴成分の定量分析を行った結果、ロイシン酸エチルなどの極性香気成分やγ-6-(Z)-ドデセノラクトンが生もと系清酒に多く含まれていることが認められた。
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