研究課題/領域番号 |
21K13511
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研究機関 | 国立社会保障・人口問題研究所 |
研究代表者 |
佐々木 織恵 国立社会保障・人口問題研究所, 社会保障応用分析研究部, 主任研究官 (70825075)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 持続可能な開発のための教育 / サスティナブルコンピテンシー / 行動変容 / 変容的学習 |
研究実績の概要 |
2023年度は本研究に関連して、2回の学会発表(国際学会1回、国内学会1回)と2本の論文掲載(国際誌1本、国内誌1本)を実現した。さらに講演会での発表(2月@国立社会保障・人口問題研究所)や研修講師(9月@横浜市教育委員会)などを務めた。現在投稿中のレビュー論文が1本、進行中の事例研究が1つある。 学会発表については、学校のマネジメントや教育条件整備、協力体制などを整備するホールスクールアプローチ(Whole School Approach:WSA)がESD実践に与える影響について教師がどのように捉えているのかというテーマで、2022年度に行った、横浜市の教師へのインタビューを元に、11月にシンガポールで開催された世界教育学会(WERA)で発表を行った(査読有)。また6月に名古屋学院大学で開催された第32回国際理解教育学会で、その影響メカニズムについて発表した。 論文については、ESDの実践においてWSAが、教師のESD実践にどのように貢献しているのかを明らかにし、国際誌(PROSPECTS)に投稿し、掲載された。また、日本におけるWSAの強み、弱みを明らかにした論文を日本ESD学会に投稿し、掲載された。 他に、ESDコンピテンシー(持続的な環境、経済、社会に関する能力)、アクションコンピテンシー(行動変容/行動力)の概念と指標に関して、先行研究レビューを行い、今後どのような研究が求められているのかを検討した。その内容について、日本ESD学会に投稿し、現在、査読中である。その他、行動変容の可能性について、変化理論(Theory of Change)を構築するアクションリサーチを進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2020年に行った質問紙調査の分析、先行研究レビューとも順調に進めることができた。また質問紙調査を補完するインタビュー調査や事例研究も研究対象との関係性が構築されていることから、調査を実施する下地が整っている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は以下を予定している。第一に、ホールスクールアプローチの学校での実践が国によってどのように異なるのかについて、ベルギーの研究者と共同研究を行っており、2024年8月にヨーロッパ教育学会で共同発表を予定している。第二に、2020年度の質問紙調査の児童・生徒票の分析を進め、学校要因、教師要因との関連をマルチレベル分析によって明らかにし、国際誌に投稿する予定である。第三に、ESD実践がどのように子どもの変容に影響しているのかについて、横浜市教育委員会の研修の場を借りて、教師や子どもへ聞き取りを行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度はPC関係の備品を購入しなかったため経費があまり、2024年度に繰り越した。2024年度はヨーロッパ国際学会での発表で、キプロスへの渡航を予定しているほか、分析ソフトやノートPCの購入、アルバイト雇用にかかる経費などを予定している。
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