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2021 年度 実施状況報告書

学校改革の革新の系譜における創造性の教育の理論的基盤

研究課題

研究課題/領域番号 21K13512
研究機関横浜国立大学

研究代表者

乙メ 佳恵 (橘高佳恵)  横浜国立大学, 教育学部, 講師 (10827554)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード進歩主義教育 / 科学教育 / 探究 / 公教育
研究実績の概要

アメリカ合衆国の哲学者・教育研究者であるデイヴィッド・ホーキンス(1913. 2. 28-2002. 2. 24)について、彼の経歴を把握するとともに、彼の学びの理論の大要を明らかにした。
ホーキンスは、テキサス州エルパソに生まれ、ニューメキシコ州で育った。スタンフォード大学で哲学を修めた後、カリフォルニア大学バークレー校において、確率論の研究により博士号を取得する。次いで第二次世界大戦において、マンハッタン計画の公式歴史家を務める。原子爆弾の開発プロジェクトについて、その展開を記録した彼は、原子爆弾の現実化を経て、社会における科学のあり方を深く憂慮することとなった。戦後におけるホーキンスの教育への傾注は、社会における人間と科学の関係の省察にもとづくものであった。
戦後、ホーキンスはコロラド大学ボルダー校の哲学教授を長く務めた(1947-1982)。この間、1960年代には科学教育開発プロジェクト Elementary Science Study のディレクターを務め、1970年には、妻フランセス(Frances)とともに、教師教育機関 Mountain View Center for Environmental Education を設立する。そして晩年まで教育に携わった。
ホーキンスの学びの理論は、科学および数学を中心として展開した。ホーキンスにおいて、科学的素養は、平和で民主的な社会のために必要な市民的教養である。そして「初等科学」の概念において、その内実が検討された。初等科学は、主題・対象の探究において学ばれる。そして初等科学の学びとは、日常生活とは異なる視点への参入であり、そこには、美的とも呼び得る洞察の経験がある。ホーキンスの科学論と学びの理論は、科学の発展した現代社会における市民の教育と教養をめぐり、考察の手掛かりを与えてくれる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

文献資料の収集と検討を進めることができた。新型コロナウイルスの流行により、アメリカへの渡航は叶わなかったものの、予定していた研究会はオンライン開催となり、参加できたため、影響は最小限に抑えられた。

今後の研究の推進方策

引き続き、文献資料の収集と検討を進める。新型コロナウイルスの流行により、アメリカおよび欧州における国際会議への参加や訪問調査については、オンラインや延期となることが予想される。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの流行により、アメリカへの渡航が叶わなかったため、残額が生じた。流行が収束し、渡航の見込みが立ち次第、今年度または来年度以降における国際会議への参加や海外調査の費用として使用する予定である。

備考

橘髙佳恵(2022)「デイヴィッド・ホーキンスの教育学」(アメリカ教育史研究会全体会、口頭発表)

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Between Common Sense and Elementary Science: David Hawkins' Discussion of Critical Barrier Phenomena2022

    • 著者名/発表者名
      Yoshie Kittaka
    • 学会等名
      The 9th International Conference of School as Learning Community
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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