研究課題/領域番号 |
21K13527
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
新井 浩子 早稲田大学, 文学学術院, 講師(任期付) (40329032)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 出産育児と職業の両立困難 / 女性のキャリア発達 / 職業継続への不安・困難観の解消 / 成人前期女性を対象とするキャリア教育プログラム / 出産育児期のキャリア発達 |
研究実績の概要 |
女性労働やライフコース研究では、出産育児と職業の両立困難が日本の女性のキャリア発達を阻害し、指導的地位における女性割合を停滞させる要因であることが繰り返し指摘されてきた。また当事者である女性は、大学生期から出産育児期までの成人前期を通して、職業継続と出産育児の両立に不安と困難を感じている。しかしキャリア教育では、成人前期女性を対象とした、出産育児期の職業継続を目標とするプログラムは確立しておらず、キャリア教育の欠落点となっている。本研究はこれらの課題解決として、成人前期、すなわち大学~初期キャリア~出産育児期の女性を対象とする、職業継続への不安・困難観を解消し、出産育児期の職業継続を目標とする、教育の在り方を検討し、高等教育及び社会教育での実施を前提とするプログラムを開発する。それにより、キャリア教育領域の発展拡張に貢献するとともに、本格的な職業キャリアの入り口に立つ大学生期からライフイベントを迎える出産育児期までの、トータルな支援の拡充に資することを目指す。 本年は、全国の女性関連施設を対象に質問紙による悉皆調査を実施し、成人前期女性を対象とするキャリア教育の実態と出産育児期のキャリア発達に焦点を当てた先進事例抽出の資料収集を行った。大学における女性のキャリア教育に関する資料収集を行った。2023年度は、①女性関連施設に質問紙調査結果を対象・目的・テーマ別に分類し、社会教育段階で実施されている成人前期女性を対象とするキャリア教育の実態をあきらかにする。②全国の大学に質問紙調査を実施、プログラムを収集し、高等教育で実施されている成人前期女性を対象とするキャリア教育の実態を把握する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
理由 初年度に実施した予備調査の結果、新型コロナウィルス感染症のため講座を中止または延期した施設が多数に及ぶことが判明したため調査の実施を1年延期した。その結果、計画全体に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
①全国の女性関連施設を対象に実施した質問紙調査と収集したプログラム結果を対象・目的・テーマ別に分類し、社会教育段階で実施されている成人前期女性を対象とするキャリア教育の実態をあきらかにする。 ②全国の大学を対象に質問紙調査を実施、出産育児期の職業キャリア継続・発達支援を目的に含むプログラムを収集し、結果を対象・目的・テーマ別に分類し、高等教育段階で実施されている成人前期女性を対象とするキャリア教育の実態を把握する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症のため講座を中止または延期した施設が多数に及んだために初年度に計画していた全国の女性関連施設を対象とする質問紙による悉皆調査を延期した結果、計画に遅れが生じたため、次年度使用額が生じた。 使用計画としては、全国の大学を対象に質問紙調査を実施しプログラムを収集、結果を対象・目的・テーマ別に分類し、高等教育と社会教育段階で実施されている成人前期女性を対象とするキャリア教育の実態を体系的に解明する。女性関連施設を対象に実施した質問紙調査の結果とあわせて、「出産育児期のキャリア発達もしくは継続への不安や困難感の解消を教育目標とする」という観点から先進事例を10例ほど抽出し、調査報告書を作成する。
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