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2021 年度 実施状況報告書

ガーナ農村部における学卒者のキャリア形成ー複線型モデルに基づく追跡調査ー

研究課題

研究課題/領域番号 21K13531
研究機関名古屋大学

研究代表者

近藤 菜月  名古屋大学, 国際開発研究科, 助教 (60827179)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード就学ー就労トランジション / 進路希望 / 高学歴自営業者 / ガーナ
研究実績の概要

本研究の目的は、量的・質的方法を用いてガーナ農村部の学卒者を追跡調査し、十分な雇用がない環境における高学歴の若者のキャリア形成の実態を把握することである。
プロジェクト1年目である2021度は、対象大学の卒業を控えた最終学年生に対して、1度目の質問紙調査を実施した。
回答者は全351名(うち、男性が219名、女性が131名、不明が1名)であった。質問紙の内容は、(1)社会的・経済的・文化的背景、(2)在学中の学習経験、(3)在学中の大学外での学習・訓練経験、(4)在学中の収益的活動経験、(5)在学中の大学外での社会関係形成的活動、(6)奉仕活動期間(ガーナでは卒業後1年の奉仕活動が義務付けられている)中の求職活動やその他の活動、(7)価値観(仕事に求めるものや意思決定の基準)である。調査の結果、卒業後すぐに予定している進路希望と、10年後にやっていたい仕事は大きく異なっており、長期的ビジョンでは「自営業者」への憧れを持つ学生が多い一方で、卒業後すぐには大半の学生が政府ポストまたはNGOを志望していることがわかった。進路希望と家庭的背景の間には一定の関係があること、学生の多くは在学中に正規のカリキュラム外で様々な活動に従事しており、将来的に自営業者になることを想定している者の方が、具体的なスキルの習得に意識的であるとことなどが示唆された。また、異なる種類のエンプロイアビリティ(起業家的特性及び被雇用可能性)に関する自己評価は、在学中の経験から影響を受けることも示唆された。今後の追跡調査では、実際のキャリア形成過程を追っていくとともに、卒業前に描いていたキャリアプランに対して実際にどのような行為がなされるか、環境に応答してどのように方向修正や対応がなされるかを、質問紙およびインタビューを通して調査していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本課題は2年度以降は初年度の回答者の追跡調査を行うため、初年度にある程度の回答者の人数を獲得することが望ましい。その意味では1年目の質問紙調査で、期待される数を満たす回答を得ることができたと考える。また、得られ回答データの内容も興味深く、近年指摘されるようにアフリカにおいて「自営業者」を希望する者が高学歴の若者の間でも増えていることがデータから伺えた。一方、予定していた現地調査についてはコロナ感染症の影響で実施できなかったため、必要な情報収集は現地の関係者とのオンラインミーティングによって代替した。

今後の研究の推進方策

研究計画に大きな変更はない。1年目の質問紙回答者に対して、2年目以降も追跡の質問紙調査を行うとともに、用意したクライテリアに基づきフォーカスグループ参加者を選定し、インタビューを実施する。2年目の質問紙では、1年目の質問紙実施時点での想定と現状との乖離の程度、現状への自己認識と将来展望について調査する。

次年度使用額が生じた理由

第一回目の質問紙調査実施前に予備調査としてフィールド調査を実施する予定であったが、現地調査がコロナ感染症の拡大により実施できなくなったため、オンラインで対象大学関係者とミーティングを行うこと等で代替した。助成金は、次年度以降の現地渡航で、コロナ感染症の状況などに配慮しつつ十分な調査を実施するために使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ガーナ農村部の大学生の経験と キャリア展望2022

    • 著者名/発表者名
      近藤菜月
    • 学会等名
      アフリカ教育学会
  • [学会発表] Learning Experiences Outside School and Its Relationship with Career Formation2022

    • 著者名/発表者名
      Natsuki Kondo
    • 学会等名
      The Japan Society for International Development.

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公開日: 2022-12-28  

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