研究課題/領域番号 |
21K13557
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳 奈津代 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任助教 (40837499)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 服薬アドヒアランス / 保育園児 / 母親 / 父親 / 薬剤師 / 家庭での与薬 / 支援 / 包括的指標 |
研究実績の概要 |
予備調査の結果を精査し、今後の本調査に含める質問項目を検討した。 「(保護者が)指示通り与薬しようと思う」と「実際に子どもが指示通り服用している」ことに対する関連要因をそれぞれ検討したところ、病気や薬の理解・服用への納得、医療者とのコミュニケーションなど、両者に関連する要因が明らかになった一方で、いずれかのみに関連がみられた項目があった。保護者の子どもの頃の生活習慣や服薬に関する習慣(指示通りに服薬していた、親から薬のリスクの説明を受けていた等)などにも関連がみられた項目があり、今後、検討を続ける。子どもへの与薬に対する支援について、保護者に自由記述で尋ねたところ、支援をしてほしい相手は、配偶者(夫、妻を含む)が最も多く、薬剤師や保育士との回答は数名ずつであった。支援の内容は、子どもが薬を飲めるような「声がけ」「飲みやすい雰囲気」が多かったが、「薬の準備」「キャラクターの薬袋」「子どもが飲めるよう飲ませ方の説明」などもあげられた。次回の調査では、選択肢による回答を含めることとした。 家庭での与薬環境を評価できるような指標を検討するため、今後の本調査で用いる「原案」の作成を行った。予備調査の結果をもとに指標の「暫定案」を作成し、現場薬剤師を含む大学教員などの外部専門家の意見をもとに修正版を作成した。その後、保育園児の保護者の意見を反映して「原案」とした。これらを本調査に含めて検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
家庭での与薬環境を評価できるような指標を検討するための「原案」作成において、専門家への調査及び対象者(保育園児の保護者)への調査に関して新型コロナウイルス感染症の影響も含めて予定通りの実施が困難であったことから、原案を含める本調査の実施を延期することとした。
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今後の研究の推進方策 |
3歳以上の保育園児の保護者を対象とした本調査を実施し、家庭での与薬環境を評価できるような包括的指標を検討するとともに、「(保護者が)指示通り与薬しようと思う」ことへの関連要因を明らかにする。与薬に困難を感じている母親および父親への支援策を整理する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた全国オンライン調査「保育園児の父親および母親を対象とした与薬行動の関連要因と子どもの服薬アドヒアランスに関する調査」(本調査)を2023年度に延期したため。
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