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2023 年度 実施状況報告書

児童の情動コンピテンスに関する教師の認識枠組みの検討

研究課題

研究課題/領域番号 21K13570
研究機関大阪教育大学

研究代表者

芦田 祐佳  大阪教育大学, 教育学部, 講師 (10896640)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード情動コンピテンス / 小学校教師 / 認識 / 教師教育
研究実績の概要

令和5年度は,前年度に実施した質問紙調査の結果を整理し,学会発表を行った。
まず,前年度の質問紙調査の結果,教員特有の認識を明らかにするためには,日本の一般就労者に対する質問紙調査を併せて行う必要があると考えられた。そこで,令和5年度前半に一般就労者1200名に対する質問紙調査を実施した。
この一般就労者に対する調査結果を踏まえ,8月には日本教育学会大会において研究成果を発表した。具体的には,教員と一般就労者が情動的に有能だと感じる教員/人の特徴とそれを規定する要因を整理して発表した。この発表では(1)いかなるときも自己の情動を抑制できる冷静さを備えた人を一般就労者は情動的に有能な人であるとみなしやすいこと(2)教員は他者の情動を理解することに長けた教員を情動的に有能な教員であると考えやすいこと(3)一般就労者と教員の双方において,自己理解に長けていることを情動面の有能さと結びつけにくいことを指摘した。さらに,この研究成果を論文としてまとめ,学会誌に投稿する準備を進めた。
また,教員が情動面で有能だと感じる児童の特徴と,その認識を規定する要因については,8月に開催された日本教育心理学会総会にて発表した。この発表では,教師の認識に対して,教師のメタ情動,生徒指導・学級経営に関する信念,教職に対する信念,教職経験年数が関連していることを報告した。ここで報告した内容についても,学会誌に投稿する準備を進めた。
さらに,令和5年度の後半には,以上の質問紙調査の結果をもとに,こうした教員の認識が生まれる背景に迫るインタビュー調査を実施すべく,関係書類の作成や調査協力者に対する依頼調整などを行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画から1年遅れで調査を実施する運びとなったが,調査計画を念入りに立てて実施したため,結果整理が円滑に進み,成果報告にまで着実に至ることができた。また,当初の計画にはなかった新たな研究に着手し,その成果を迅速に報告することができたのも,前年度までの調査準備によるところが大きい。
前年度の計画では,教員に対するインタビュー調査を令和5年度中に実施する予定であったが,当初の計画にはなかった新たな研究に着手したため実施時期を見送った。しかし,インタビュー調査を計画する時間を十分に確保できたため,次年度に滞りなく実施できる体制が整った。

今後の研究の推進方策

最終年度である令和6年度は,令和5年度後半に計画し準備したインタビュー調査を実施する。すでに調査協力者に対する依頼は済んでおり,令和6年度秋頃から調査を開始する予定である。また,この調査結果を併せ,令和5年度までに実施した調査結果を改めて整理しなおし,国内外の雑誌に論文を投稿する予定である。

次年度使用額が生じた理由

一般就労者向けの調査実施のために,費用を捻出する必要が生じたため。また,翌年度のインタビュー調査にかかる費用支出のため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 小学校教師が情動的に有能だと感じる教師の特徴:成人に対する調査との比較けんとう2023

    • 著者名/発表者名
      芦田祐佳
    • 学会等名
      日本教育学会第82回大会
  • [学会発表] 小学校教員が情動面で有能だと感じる児童の特徴2023

    • 著者名/発表者名
      芦田祐佳
    • 学会等名
      日本教育心理学会第65回総会

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公開日: 2024-12-25  

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