研究課題/領域番号 |
21K13577
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
坂田 桂一 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 講師 (80773366)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 技術教育 / 高校工業科 / 教材開発 / ライフストーリー / 教師の力量形成 / 事例研究 |
研究実績の概要 |
本研究は熟練教師及び若手教師らを対象にしたライフスト-リ-的アプロ-チによって中等技術教育、とりわけ中学校技術・家庭科技術分野(以下、技術科)の教師の力量形成に関わる要因と課題について明らかにする。その上で,得られた知見に基づき,実際に教材開発をともに行っていく中で若手・中堅の技術科教師らへの支援のあり方について明らかにすることを目的としている。 上記の研究目的に対し、2021年度は主に技術教育に関する教師への聞き取り調査をもとに、その教材開発に関わる力量形成について検討した。より具体的には高校工業科の教師であった人物にききとり調査及び原稿執筆を依頼し、その教師による教材研究・開発とその展開の過程を中心としたライフストーリーとしてまとめた。 検討の結果、その教師による教材研究・開発の過程は偶然性や同僚性及び他者との関係性に支えられていたことが明らかとなった。加えてそれを可能とした、授業づくりへの反省的な態度と生徒の実態を把握する力量、他者への敬意、その過程の中で高められた専門的知識や技能、教育的意図と計画性といった教師の力量がその要因としてあったと考えられた。そうしたことから、個人による教材研究・開発であっても、多様な面で他者の存在や関係性が影響していることが示唆された。本年度はこれらの結果を論文としてまとめた。 上記の研究実績に加え、現在は技術科教師とともに教材開発を行うための環境づくりや関係づくりを行い、教材研究をすすめているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の研究実績の概要に示す通り、今年度の目標であった、教材開発に関わる熟練教師のライフストーリーについてまとめることができた。また今後の準備についても着実に進めることができている。そのため、本研究の現在までの進捗状況としては「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の課題の一つである技術教育に関わる教師のライフストーリー研究を引き続き進めていく。より具体的には、技術科の若手、中堅教師らを対象にききとり調査を行い、その力量形成に関わる要因や課題について検討する。 また、中学校現場の教師らとの教材開発を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
このコロナ下で県外等への調査が制限されたために当初予定していた予算を執行するのが困難となった。 次年度は新型コロナウイルスの感染拡大の状況を鑑みて、適宜県外への調査を行いたいと考えている。
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