研究課題/領域番号 |
21K13578
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研究機関 | 名桜大学 |
研究代表者 |
濱本 想子 名桜大学, 健康科学部, 助教 (10879836)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 保健体育科教員養成 / TPACK / ICT活用指導力 / 混合研究法 |
研究実績の概要 |
本研究では、保健体育科教員養成課程におけるTPACK(Technological Pedagogical Content Knowledge:Mishra & Koehler, 2006)の育成プログラムを開発する。具体的には、保健体育科におけるTPACKを探求し、教師教育者である研究代表者が他大学に所属する教師教育者である研究協力者と連携してTPACK育成プログラムをデザインして実際に試行し、授業研究やセルフスタディを通してその評価・改善を行い、有用性を探る。 1年目にあたる2021年度は、基礎調査期として①文献調査を通した保健体育科におけるTPACKの探求と②ICT活用指導力に関する学生の実態調査を行った。①に関しては、国内外の関連書籍や論文を収集し、保健体育科におけるTPACKを整理することができた。調査結果については、2年目中に論文としてまとめ公表を予定している。②に関しては、研究協力者とともに予定通り「ICT活用指導力のチェックリスト」(文部科学省,平成30年改訂版)を活用し、教科の指導法に関する科目(模擬授業実践も含む)や教育実習を通して学生がどれほどICT活用指導力を身につけているか、混合研究法を適用してアンケート調査及びインタビュー調査を実施し、事例的ではあるが実態を詳細に調べることができた。この調査は学年末に行ったため現在分析中であるが、学生のICT活用指導力についてその実態と要因に関する有益なデータを得ることができた。調査結果は2年目中に学会発表や論文として公表をする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目は、予定していた文献調査と実態調査を実施することができ、有益なデータを収集することができた。しかし、COVID-19の流行に伴い対面での研究協力者らとの打ち合わせや現地調査、視察、出張等を行うことができなかった。2年目である2022年度には、1年目の調査結果を踏まえて研究協力者らとICT活用指導力及びTPACKを育成する指導実践やその成果検証、プログラム開発に取り組む予定であるが、COVID-19の状況によっては現地調査や視察等が困難な可能性もある。そのため、感染状況を踏まえながら調査内容や方法の見直しも検討する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
プログラム開発期である2022年度は、研究協力者らと協同で以下の3点に取り組みたい。第一に、初年度の調査結果の公表である。第二に、2021年度の調査結果を踏まえてTPACKに関する学生の実態調査を行う。第三に、ICT活用指導力やTPACKを育成を目指した指導実践を行い、その成果を検証する。これら結果を踏まえて、研究協力者らとの協議を重ね、TPACKの育成プログラムをデザインする予定である。コロナ禍によってICT化が進んだことも踏まえ、積極的にICT機器やオンラインを活用して、研究を推進していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じたのは、COVID-19の影響で予定していた打ち合わせや現地調査、出張等が行えず、調整が必要だったためである。2021年度は、主に分析ソフトやデバイス、ICT機器等のハード面を整えるために活用した。次年度は、継続してハード面の環境を整えるために活用したり、研究協力者らとの打ち合わせや現地調査、実証的研究の遂行、学会発表等を含む出張、成果公表などに活用する予定である。
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