研究課題/領域番号 |
21K13579
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
有原 穂波 目白大学, 人間学部, 専任講師 (50855442)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 図画工作 / 児童画 / 見取り |
研究実績の概要 |
小学校図画工作科における表現の活動では、作品の制作が主だった活動となる。このとき、教師には児童が表現をしていくための支援として指導・評価をしていくことが求められるが、図工科は美術に関する専門的知識の有無によってその行いやすさに差が生まれるため、授業の実施に困難を感じる場合が少なくない。この課題に対応するためには、指導する側がどのように児童の作品を見取っているのか、その実態を把握した上で議論をすすめる必要がある。そこで、本研究では、教育的な実践知の有無や図工・美術に関する専門知識の有無よって生じる絵の見方に関する差異の実態をより明確にすることを目的に、視線計測を中心に児童の作品がどのように見取られているのかに関する調査を行う。また、このような視線計測から得られる情報と、絵の印象評価の結果を関連付けて分析することで、作品がもつどのような印象・特徴が絵の評価に関わっているのかについて検討する。 2021年度は、研究実施計画に基づいて次年度以降に実施を予定する本調査に向けた予備調査を実施した。具体的には、小学生が描いた絵(風景画)について、形容詞対を用いた印象調査を実施した。この調査の対象は、小学校教育を学ぶ大学生とした。回答結果をもとに、評価が高い作品・中程度の評価がなされた作品・評価が低い作品をそれぞれ抽出し、これらを本調査に用いる刺激とした。また、本調査では抽出した刺激を用いた視線計測の他、インタビューも同時に実施するが、この質問項目についても検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に沿って予備調査までを終えることができた上、次年度の本調査に向けての準備も進んでいるため、上記の進捗状況だと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度・2023年度は、2021年度に実施した予備調査において選定した絵を用いて本調査(視線計測調査とインタビュー)を実施する計画となっており、2022年度は特に小学校教員養成課程に属する大学生を対象とした調査を中心とすることを予定している。COVID-19蔓延の影響から調査の遅れが生じる可能性に鑑み、十分な参加者数が得られるように早期から参加者募集を行い、調査を進めていくこととする。得られた成果については随時発表し、発信をしていくことを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は学会がオンラインでの開催となったため、参加のための旅費が不要となった。2022年度についても開催方法に鑑みて使途を決定するが、旅費が不要となった場合は、調査協力者への謝礼及び美術関連書籍の購入に使用する。
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