研究課題/領域番号 |
21K13625
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
岩本 佳世 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (90846536)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 小学校 / 通常学級 / 集団随伴性 / 学習支援 / 相互作用 / 学業成績 |
研究実績の概要 |
本研究は、特別な教育的ニーズを有する児童が在籍する小学校通常学級を対象とした「相互依存型集団随伴性に基づく学習支援プログラム」を作成し、その効果を検討することを目的とする。 2021年度は、特別な教育的ニーズを有する児童が在籍するA小学校の通常学級を対象に実施した集団随伴性に基づく支援に関する実践研究2件を論文にまとめ、「愛知教育大学研究報告教育科学編」第71巻(研究1)、「上越教育大学特別支援教育実践研究センター紀要」第28巻(研究2)に掲載された。また、研究結果の一部について、日本教育心理学会第63回総会において、ポスター発表した。そして、Skinner et al.(2000)等の先行研究をもとに、相互依存型集団随伴性に基づく学習支援プログラムを作成し、2022年度にB小学校で実践研究を実施するための準備を進めた。 (研究2の概要) 対象者は、小学校3年の1学級の児童であり、支援した場面は、国語の授業でのローマ字単語のテスト場面であった。集団随伴性に基づく支援期(以下,GC期)に、ローマ字単語の覚え方に関する声かけを紙に書いて担任に報告するという援助報告と、児童が援助報告をした場合は、担任は当該児童にシールを渡すという非依存型集団随伴性に基づく支援を導入した。Public posting(以下,PP)手続きを組み合わせた支援期(以下,GC+PP期)では、児童が援助報告をした内容を担任が読み上げる、援助報告をした紙を廊下に貼り出すというPP手続きを組み合わせた。その結果、両期ともに、他児からの援助報告をした児童の割合は高く、非依存型集団随伴性に基づく支援の導入によって児童の援助報告が促進されることが示された。また、GC+PP期に、児童のローマ字単語(書字)のテストの得点が改善することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的を達成するために必要な知見となる実践研究の論文が2件掲載され、新たな研究協力校で実践研究を実施するための準備を、予定通り進行することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、研究対象校での実践研究を行う予定である。また、これまでに実施した集団随伴性に基づく支援に関する実践研究のデータ分析、論文執筆を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は、研究協力校で実践研究を行うための準備を進めた段階だったため、予定していたよりも使用額が少なかった。2022年度は、本格実施するため、研究に必要な物品を購入する予定である。
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