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2022 年度 実施状況報告書

仮想議論者を用いた協調学習空間の構築と評価

研究課題

研究課題/領域番号 21K13642
研究機関広島市立大学

研究代表者

毛利 考佑  広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (60796001)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード協働学習 / 学習分析
研究実績の概要

近年、協調学習を講義に取り入れることで、学習者間の対話を活発化させ、主体的・協働的に問題に取り組む、協調学習空間を構築・評価する研究が盛んに行われている。協調学習を提供するためにグルーピングを行うが、その際に、知識が異なる学習者同士をグループ編成することができればお互いに習得していない知識を伝え合い、議論の活性化や学習の向上につながることが従来の研究で明らかとなってきた。しかしながら、グループ編成の際に同じ知識を持つ学習者のデータが多い場合、知識の異なる学習者同士をバランスよく組ませることが難しくなる。また、従来のグルーピングでは、座学と演習の双方で収集した学習データを統合して、知識の異なる学習者同士のグルーピングまで至っていない。昨年度は、協働学習環境で蓄積した学習過程のデータ及びアンケートから、学習者間で成果物を修正する際に、「なぜ成果物を改悪してしまうのか?」 、「なぜ間違った箇所をそのままにするのか?」に関して、調査を行った。多くの学習者は、協働的に成果物を修正する際に、自信が無い箇所は、話し合ってもそのままにする傾向が見られた。改悪は、自信がある学習者の意見を鵜呑みにする傾向が見られた。また、成果物に対して話し合っている対話がどのようになっているのかを詳細に把握するために、UDトークと呼ばれるアプリケーションを導入し、対話ログを蓄積し、改悪する状況を分析した。その対話ログの分析した結果、対話からも学習者の自信が改悪や間違いの指摘に影響を及ぼすことが明らかになってきた。研究の公表した論文誌、国際学会及び国内学会は以下のとおりに示す。
・ IJDETの国際論文誌に採択。また、他にも2本の論文誌に提出を行い査読中。
・LTLEの国際学会に2件発表。
・CLEの国内研究会で1件発表。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、デジタル教科書(座学で利用)と概念モデリングツール(演習で利用)を統合し、座学と演習の学習データを蓄積し、それらを分析することで知識の異なるグルーピングを行える機能を開発・評価を行うことができた。さらに対話などのより詳細なデータを収集し、改善・改悪する状況を把握できるAIシステムを開発・評価する段階まで至っており、概ね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

今年度は、昨年度の知見に踏まえて、学習者の学習状況(デジタル教科書の閲覧の有無)や成果物の状況を協調学習中にAIがリアルタイムにモニタリングし、グループごとの状況に応じて自信がない箇所に対応した教材のページや成果物に関連する解答を提供するシステムを開発・評価を行っていく予定である。
最終年度であり、以下の論文誌や国際学会で研究成果を公表していく予定である。
(1) Journal of Smart Learning Environmentや Journal of Educational technology & society
(2) International Conference on Learning Technology and Learning Environments
(3) 情報処理学会全国大会や教育システム学会など

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じたが、研究に必要なPCの購入に充て,繰越することとする

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Effects of Pairing Methods Based on Digital Textbook Logs and Learner Artifacts in Conceptual Modeling Exercises2022

    • 著者名/発表者名
      Nishio Toshiki、Mouri Kousuke、Tanaka Takafumi、Okamoto Masaru、Matsubara Yukihiro
    • 雑誌名

      International Journal of Distance Education Technologies

      巻: 20 ページ: 1~16

    • DOI

      10.4018/IJDET.296703

    • 査読あり
  • [学会発表] Learning analytics in VR: What if we can collect learning logs in VR classroom2023

    • 著者名/発表者名
      Lin Shengkai, Kousuke Mouri, Masaru Okamoto and Yukihiro Matsubara
    • 学会等名
      International Conference on Artificial Intelligence and Education
    • 国際学会
  • [学会発表] Development and evaluation of car training system using VR and eye tracking technology2022

    • 著者名/発表者名
      Tetsuhiro Ito, Kousuke Mouri, Masaru Okamoto and Yukihiro Matsubara
    • 学会等名
      IIAI International Conference on Advanced Applied Informatics (IIAI AAI)
    • 国際学会
  • [学会発表] Visualizing learners’ level of understanding of lecture using digital text book system, IEEE International Conference on Learning Technologies and Learning Environments2022

    • 著者名/発表者名
      Morita Hiroto, Kousuke Mouri, Masaru Okamoto and Yukihiro Matsubara
    • 学会等名
      IIAI International Conference on Advanced Applied Informatics (IIAI AAI)
    • 国際学会
  • [学会発表] 電気回路に関するタブレット型学習支援システムの開発2022

    • 著者名/発表者名
      山本竜也, 松原行宏, 岡本勝, 毛利考佑
    • 学会等名
      第47回教育システム情報学会
  • [学会発表] アイトラッキングを用いた仮想空間内での接客訓練システムの提案2022

    • 著者名/発表者名
      大上毅瑠, 松原行宏, 岡本勝, 毛利考佑
    • 学会等名
      第47回教育システム情報学会
  • [学会発表] Webカメラを用いたハードルまたぎ練習支援システムにおけるフィードバックの検討2022

    • 著者名/発表者名
      山北丈将, 岡本勝, 松原行宏, 毛利考佑
    • 学会等名
      第47回教育システム情報学会
  • [学会発表] HMDを用いたイオンの可視化による仮想電気分解実験環境2022

    • 著者名/発表者名
      沖田康弘, 岡本勝, 松原行宏, 毛利考佑
    • 学会等名
      第47回教育システム情報学会
  • [学会発表] VRを用いたリズム訓練ドラム演奏システム2022

    • 著者名/発表者名
      藤堂悟, 松原行宏, 岡本勝, 毛利考佑
    • 学会等名
      第47回教育システム情報学会
  • [学会発表] VR教室における教育・学習データ利活用に向けた学習分析,2022

    • 著者名/発表者名
      毛利考佑, 林晟開
    • 学会等名
      情報処理学会 教育学習支援情報システム研究会(CLE)
  • [学会発表] ラーニングアナリティクスに基づく教育・学習改善2022

    • 著者名/発表者名
      毛利考佑
    • 学会等名
      教育システム情報学会中国支部・第21回研究発表会
    • 招待講演
  • [学会発表] ペアモデリングにおける成果物の改善・改悪に関する学習行動と対話の分析2022

    • 著者名/発表者名
      西尾俊紀,毛利考佑,田中昂文,岡本 勝,松原行宏
    • 学会等名
      第211回ソフトウェア工学研究発表会
  • [学会発表] 3D空間での力覚フィードバックを用いた滑車学習支援システム2022

    • 著者名/発表者名
      池田 光汰, 岡本 勝, 松原 行宏, 毛利 考佑
    • 学会等名
      日本経営工学会,
  • [学会発表] アイトラッキングを用いたHMD型接客訓練支援システム2022

    • 著者名/発表者名
      大上毅瑠・松原行宏・毛利考佑・岡本 勝
    • 学会等名
      教育工学研究会(ET)
  • [学会発表] 姿勢推定に基づくフィードバックを用いた下肢ストレッチ訓練支援システム2022

    • 著者名/発表者名
      山北丈将・松原行宏・岡本 勝・毛利考佑
    • 学会等名
      教育工学研究会(ET)

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公開日: 2023-12-25  

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