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2022 年度 実施状況報告書

リハビリテーション教育におけるVRシミュレータ導入に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K13647
研究機関北海道科学大学

研究代表者

加藤 士雄  北海道科学大学, 保健医療学部, 准教授 (40760260)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードVirtual Reality / シミュレータ教育 / End-Feel(最終域感)
研究実績の概要

今年度は昨年度実施したヒトの肘関節を模した単関節のモデルの検証をベースに,ヒトの関節の最終域感(End-Feel)を圧センサやIMUセンサを用いて定量化することが可能かを検証した.今回,計測対象としたEnd-Feelは「①骨同士の接触によるもの(Bone to Bone;以下,BTB)」を肘関節の伸展で,「②軟部組織の伸長によるもの(Tissue Stretch:以下,TS)」を股関節の屈曲(膝関節伸展位の状態),「③軟部組織同士の接触によるもの(Tissue Approximation;以下,TA)」を膝関節の屈曲にて計測した.各End-Feelの計測において,IMUセンサは他動的に関節を動かされるヒト(以下,対象者)の以下の部位に設置した;①BTB:前腕の前面,②TS:大腿側面,③TA:下腿側面.圧センサは他動的に関節を動かすヒト(以下,実施者)の手掌面の4箇所(母指球,小指球の近位部・遠位部)に設置した.計測の結果,BTBとTSに比べ,TAは角速度のピークが終わり,一定の値に近くなる段階で手掌面の圧力が急激に上昇する傾向が見受けられた.また,角速度に着目すると,ピークを越えた後の波形に違いがあることが見られた.計測終了までの角速度センサの出力値を見ると,BTBではEnd Feel到達後の角速度の変化はほとんど見られなかった.一方で,TA.では大きな変動が緩やかに生じ,TSでは細かな変動が高頻度に生じていた.これらのことから,End-FeelをVRで再現する際に圧力の変化パターンを別の感覚にFeedbackすること,視覚的に関節の運動速度を変化させることで再現できる可能性が示唆された.
上記の検証と並行して,VRシミュレータの仕様検討を実施した.半導体価格の高騰・不足もあり,当初予定していたのとは別の方法を用いた振動フィードバックを用いることで検討を進めている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度実施したモデルを実際のヒトにより検証を行った.対象とした3つの関節において,圧センサ,角速度センサの出力値に特徴がみられたことから,シミュレータ上でその違いを再現する一つの知見は得られたと考えている.VRシミュレータの開発に関しては,半導体価格の高騰・品不足などもあり,予定していたものよりも進捗は遅れているが,代替案の検討を進めており,次年度早々に開発に向けた動きをとれるようにしている.

今後の研究の推進方策

VRシミュレータの開発を進めていく.簡易的なVRコンテンツは既に着手しており,今後は感覚フィードバックに重点を置いた開発を行っていく.また,学生を対象としたシミュレータ運用を行い,検証を実施していく.

次年度使用額が生じた理由

半導体価格の高騰や不足もあり,検討していたVRグローブの購入を見送ったことが理由である.繰り越し分については,次年度のシミュレータ開発にあてる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Visual feedback in the lower visual field affects postural control during static standing2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Mani, Norio Kato, Naoya Hasegawa, Yuto Urano, Takumi Aiko, Takaki Kurogi, Tadayoshi Asaka
    • 雑誌名

      Gait & Posture

      巻: 97 ページ: 1-7

    • DOI

      10.1016/j.gaitpost.2022.07.004

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2023-12-25  

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