研究課題/領域番号 |
21K13648
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
中村 修也 青山学院大学, 情報メディアセンター, 助教 (50881968)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | Virtual Reality / 学習ログ / 教育システム / 学習行動 / オンライン教育 |
研究実績の概要 |
本研究では,VR(Virtual Reality)を利用した教育システムにおいて,学習者から得られる体の動きや視線などの学習ログを解析する方法論を提案する.特に,VR利用中の学習者の動きや視線のデータを蓄積するシステムを開発し,得られたデータに対し統計解析,機械学習手法の適用を行う.これにより,学習者の特徴的な動きの検出や行動分類を行うことができ,VRにおける学習者への効果的なフィードバックの方法の提案や,教育システム運用に役立てることができる.また,学習者の動きだけでなく,学習者と,VR空間内のオブジェクトの挙動との関係性についても解析を行い,学習コンテンツの効果的な提示方法を検討する.今年度においては,様々なVR機器のトラッキングデータの解析と人型の3Dモデルへの適用,学習者が利用する3Dモデル空間の構築などを行なった.トラッキングデータの取得には光学式センサや慣性式センサなど複数のセンサを比較しながらデータ解析をした.大まかな結果としては,光学式センサは機器として比較的学習者の動きを制限するデメリットがある一方で,高い精度でデータを取得できる.慣性式センサは比較的機器が軽く利用も容易である一方で,ドリフトなどの現象により取得データのズレが生じることがわかった.この取得データの傾向と,今後行ないたいデータ分析における補正などの処理方法について検討した.学習者の3D空間の構築においては,現実の部屋のモデリングや3Dスキャナを使い構築できるかの検討を行なった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
現在の進捗状況としては,データの取得と解析を進めることができたが,新型コロナウィルス感染拡大状況から評価実験が実施できず,データ収集が十分ではない.当該年度ではデータの取得と解析も双方可能なシステム開発に念頭を置いていたこと,VR機器から得られるデータの遅延,機器の特性よって取得できるデータのブレに関する検討に時間を要していることが理由として挙げられる.
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今後の研究の推進方策 |
VR利用中のトラッキングデータの取得に際しては,廉価なVR機器やモーションキャプチャデバイスを利用しデータの取得と分析が簡易な形でできる方法を検討する.完全にシステムの中で自動的に分析ができるシステムではなく,まずはデータの取得とデータの離散化,トラッキングデータのみに絞った分析を進める.また,小規模な評価実験を計画し,得られたデータ解析を元に研究成果の発信を行なう.特に今後は学習者の視線に着目した分析を行なう.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大状況から評価実験等に関わる支出ができていない. 次年度では評価実験を行なうための複数のVR機器やモーションキャプチャ機器の購入と,システム構築と分析用のワークステーションの購入を計画する.また,研究の進捗として評価実験用の試作システムに関する研究発表を行なう.
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