研究課題/領域番号 |
21K13655
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研究機関 | 芦屋大学 |
研究代表者 |
野口 聡 芦屋大学, 経営教育学部, 講師 (10780934)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 教授方略 / 教育工学 / 理科 |
研究実績の概要 |
今年度は,「人に教えるために書く文章」の産出モデルの分析を明らかにするために,文章産出活動に十分に慣れている生徒を対象としてデータを収集した.具体的には,「人に教えるために書く」活動において,どのような手続きによって,論述活動を実施しているのか,発話思考法および再生刺激法を併用してデータを集めた.発話思考法と再生刺激法を併用したのは,発話思考法に慣れていない被験者の場合,頭のなかで動いていることの実況中継が十分にできないからである.そのため発話思考法に取り組んでいる場面を録画した映像を提示し,このときにどのようなことを考えていたのかデータの補完として収集した. その結果,「説明する活動」の記述モデルとして,HAYES and FLOWERの作成したモデルに加えて,「説明活動モニタリング」が追加された.とくに,加筆修正した点は,認知過程の説明活動モニタリングである. 成果は,芦屋大学論叢79号を確認してもらいたい.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究1年目においてコロナ禍の県をまたいだ渡航制限があったため、大阪の中学校への実地視察ができなかった。その影響が出ており、1年分の研究が遅れている。 また昨年度、研究協力者であり、これまで授業実践者だった中学校教員が、教頭になったので授業がでなくなった。若手の理科教員2名に実践を引継ぎ、継続して調査を実施しているが、具体的にどのように実践をするのか、実践のポイントの継承に時間を要した。そのため研究計画として、やや遅れていると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
論述活動が苦手な生徒に対して,発話思考法および再生刺激法を実施したが,うまくできない利用うとして「なんとなく」,「何かわからないけどうまくできない」という回答が得られた.苦手な生徒は,無意識な部分でできないため,それを言語化できず,それを支援する法略が明らかになったいない.そこで視線に動きに着目し,言語化できない部分,とくに活動中に視線やアクセスする情報の差に着目した.これによって言語化できない,「なんとなく」,「何かわからないけどうまくできない」の理由が明らかになると考える. そのため黒目の動きを記録するアイトラッキングの道具を利用することで,この疑問点を解消する計画である.
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次年度使用額が生じた理由 |
うまく取り組むことができない生徒に発話思考法,再生刺激法を実施しても,明確なデータが得られなかった.うまくできない理由が言語化できないのは,非熟達者がコツをつかんでいないためである.また,それを言語化できるのであれば,修正可能である. そこで学習活動中の黒目の動き(アイトラッキング)に着目し,どのような情報にアクセスし,何を見ながら考えているのか探ることで,言語化されないできない理由を明らかにする計画である.
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