当該年度は、前年度に作成した制御装置を移動ロボットに取り付け、遠隔操作でのロボットの操作が可能であることを確認しました。この確認作業では、ロボットの各種センサーやアクチュエータの動作確認を行い、制御装置が正確に指示を伝達できることを検証しました。加えて、前年度に制御装置単体で確認できていた遠隔プログラミングを行い、それをロボットに取り付けた状態でも問題なく実行できることを確認しました。 また、初年度に確認したネットワークカメラを用いて、書き込んだプログラムによるロボットの動作が予定通り行われていることも確認しました。この際、ネットワークカメラの設置場所や画角の調整を行い、ロボットの動作を監視できるように工夫しました。ロボットの動作状況はリアルタイムでモニタリングし、異常が発生した場合には即座に対応できる体制を整えました。 最後に、開発した遠隔プログラミング教材を用いた教育用資料を作成し、模擬事業を実施しました。模擬事業では、学生たちに遠隔プログラミングの基礎を教え、実際にロボットを操作する体験を提供しました。学生からのフィードバックを得るためのアンケート調査を実施し、得られた意見を基に教材の改良を行いました。また、この模擬事業の成果や実施内容については、日本教育工学会にて発表し、関係者への報告を行いました。 望ましい目標として設定したロボット動作中の不具合からの復帰への対処については、途中で発生した基盤の設計ミスや予期せぬトラブルにより進捗が遅れたため、完全には達成できませんでした。しかし、遠隔地からプログラムを行い、それを書き込んでロボットの動作を遠隔で確認し、必要に応じてプログラムを書き換えて再度実行するという一連の流れを授業の中で達成できることを確認できました。この成果により、将来的にはより高度な遠隔操作やプログラミング教育の実現に向けた基盤が整ったと言えます。
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