研究課題/領域番号 |
21K13678
|
研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
木村 年晶 京都橘大学, 健康科学部, 助教C (40780359)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 高齢者 / 情報処理 / 時間的制約 |
研究実績の概要 |
初年度は、免許保有の大学生、壮年者と高齢ドライバー30名ずつを対象に、標準化された感情刺激語から交通関連の二字熟語を用いた視覚探索課題を行う予定であったが、コロナウイルスの影響により実験中止を余儀なくされた。そこで本年は、次年度に向けての研究実施・発表・論文化のための準備を行った。 具体的には、研究協力者とオンラインによる会議を行い、特に高齢者を対象に実施するという点を踏まえて、コロナウイルス禍の中で実施可能な内容として一部変更することなどが話し合われた。加えて、実験実施後に速やかに、研究を発表論文化するために、先行研究の収集を行い、焦りの心理状態が情報処理過程、前頭葉機能活動、運転行動に及ぼす影響ついて整理した。特に1年目の研究内容にかかわる内容として、時間的な制限が加えられると、安全な選択をするための労力がかけづらく、ヒューリスティックな処理が行われること、時間的制約が生じるとリスクテイキングする傾向が高くなることなどの内容について新たに調べ、衝動的経路が優先的に使用される可能性についてまとめた。他方で、時間的制約が与えられたとしても必ずしもリスクの高い行動をとるわけではない可能性を示す研究を新たに加え、感情喚起を踏まえた、より詳細な情報収集を行うことができた。 以上の活動を踏まえ、本年度の研究実施はできなかったものの、一部調べた内容を利用して高齢者に係る研究の論文化を行いつつ、今後コロナウイルスが落ち着いたのちに、研究が速やかに実施できるよう万全の準備を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナウイルス感染症の拡大に伴い実験室に参加者を呼ぶことができなかったため、実験を行うことができなかった。研究協力者との話し合いにより一部研究をオンラインによる質問紙に変更することも検討されたものの本研究計画の趣旨から逸脱してしまうため、次年度に延期することとなった。そこで今年度についてはコロナウイルスが落ち着いたのちすぐに実験ができるよう文献の整理、実験計画の再確認を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
文部科学省から出されている「感染拡大の予防と研究活動の両立に向けたガイドライン」を順守しつつ実験を実施する予定である。本研究では、特に高齢者を対象としているため、参加者のコロナウイルスに対する安全、および参加者の不安軽減のため、万全を期して実施する。具体的には実験の手続きの一部をオンラインに切り替えて実施するなど、実験時間の短縮を図る予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
昨年度はコロナウィルスにより実験が実施できなかったため、計画通りに助成金を使用することができなかった。今年度は昨年の実験と今年度実施予定の実験を実施することで計画の遅れを取り戻す予定である。
|