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2023 年度 実施状況報告書

自己-記憶システムに基づく孤独感生成メカニズムの解明―心理学と自然言語処理の融合

研究課題

研究課題/領域番号 21K13683
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

岩井 律子  国立研究開発法人理化学研究所, 情報統合本部, 研究員 (40713920)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード孤独感 / 自然言語処理 / 自己ー記憶システム / 自伝的記憶 / BERT
研究実績の概要

本研究は、孤独感を過去の経験によって 形成された概念的自己の表象として捉え、その生起過程を認知心理学の枠組みと情報学の方法論(自然言語処理; Natural Language Processing; NLP)で理解する。日常の経験に関する文章には、書き手の心理状態や特性が反映されることが期待される。そこで、まずNLP技術を用いて心理変数を推定する新たな言語特徴解析方法を確立した上で、実験を通じて言語特徴解析結果と孤独感の生成メカニズムの検証を行う。本年度は、昨年度実施したクラウドソーシングで実施した大規模な調査(合計1,483名)データで収集したテキストを、同時に収集したUCLA孤独感尺度による自己評価の孤独感を正解として、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers; Delvin et al., 2018) で学習させ、予測モデルを構築した(2024年8月の国際学会発表予定)。また、孤独感が自伝的記憶と関連づけられて概念的自己に表象されているという仮説を心理実験により検証した。そのために、手がかりを与えて自伝的記憶を想起させる実験を行った(N=36)。孤独感が概念的自己に表象されているならば、概念的自己を参照する必要がある教示を与えられた場合(自伝想起課題)に比べて、想起内容に孤独感が反映されると考えた。また、 この傾向は個人の孤独感と相関すると予想された。統制条件として、他者を想起する必要が少ない手がかり(他者想起課題)を与えた。同時に質問紙による孤独感などの心理特性を測定した。仮説が正しければ、自伝想起課題では、他者想起課題に比べて、孤独感と孤独関連の言語特徴の間 に高い相関関係が見られると予想される。現在、データの解析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

当初は、本年度は、昨年度実施したクラウドソーシングで実施した大規模な調査(合計1,483名)データを元に、言語特徴解析器を作成することと並行して実験を行う予定であった。しかしながら、言語特徴解析器を構築するのにあたり、使用モジュール等に対して大幅なアップデートが行われ、再度解析器の構築をやり直さざるをえなかった。結果として、当初想定した以上に時間を要した。また、年度の途中で新型コロナウィルス症に感染し、その後遺症からの回復に時間を要した。

今後の研究の推進方策

当初は、本年度は、昨年度実施したクラウドソーシングで実施した大規模な調査(合計1,483名)データを元に、言語特徴解析器を作成することと並行して実験を行う予定であった。しかしながら、言語特徴解析器を構築するのにあたり、使用モジュール等に対して大幅なアップデートが行われ、再度解析器の構築をやり直さざるをえなかった。結果として、当初想定した以上に時間を要した。また、年度の途中で新型コロナウィルス症に感染し、その後遺症からの回復に時間を要した。

次年度使用額が生じた理由

言語特徴解析器を構築するのにあたり、使用モジュール等に対して大幅なアップデートが行われ、再度解析器の構築をやり直さざるをえなかった。結果として、当初想定した以上に時間を要した。また、年度の途中で新型コロナウィルス症に感染し、その後遺症からの回復に時間を要したため、計画が遅延した。今年度残りの実験を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Investigation of state and trait loneliness in freely-written texts about multiple episodes: A natural language processing approach2024

    • 著者名/発表者名
      Ritsuko Iwai and Takatsune Kumada
    • 学会等名
      European Conference of Personality 2024
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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