研究課題/領域番号 |
21K13686
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松崎 泰 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (10806160)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 感情制御 / 再評価 / 受容 / MRI |
研究成果の概要 |
本研究では自閉スペクトラム症(ASD)者の再評価・受容の特徴を定型発達(TD)者との比較で機能的磁気共鳴画像を用いて検討した。ASD者とTD者各18名を解析対象とした。結果、以下の3点が明らかとなった。第一にASD者とTD者の成績差は再評価条件のみ観察された。第二に各条件中の脳賦活で2群に違いはみられなかった。第三に再評価中、ASD者はTD者よりも扁桃体とデフォルトモードネットワークの結合亢進がみられていた。これらの結果から、ASD者は受容においてTD者と差がみられにくいこと、再評価における自己関連情報処理の関与が再評価時の成績低下につながっている可能性があることが示された。
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自由記述の分野 |
発達心理学、発達障害学、認知神経科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、不安や怒りのようなネガティブ感情の下方制御に苦手さを持つことが多いASD者を対象に、近年注目される「受容」と呼ばれる方略の特徴を心理学的・認知神経科学的アプローチから初めて検討した。主な知見として、行動レベルや、脳レベルにおいてASD者の受容パフォーマンスは定型発達者と統計的有意差を検出することができないことを示した。対象者の少なさや、受容の感情コントロールは従来の別の方法(再評価)と比して限定的であるという課題はあるものの、本研究の結果は、受容という方略が、ASD者にとって感情コントロールを支援していく際のオプションになり得ることを示したといえる。
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