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2022 年度 実施状況報告書

共時性概念の成立過程と現代的意義に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K13706
研究機関就実大学

研究代表者

桑原 晴子  就実大学, 教育学部, 教授 (70434769)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード共時性 / 分析心理学 / 現代
研究実績の概要

本研究は,C.G.Jungによって提唱された共時性という概念の成立過程と現代的意義について明らかにすることを目的とする。2022年度については研究1の共時性概念の発展過程に関する文献研究を中心として進めた。特に,これまでの共時性理論に関する分析心理学の先行研究を概観し,その成果は,「共時性に関する分析心理学的研究の展望」として論文化した。この論文においては,Jung自身が提唱した共時性理論に元々内包されていた2つの視点の対立がその後の分析心理学的研究の発展において対立・論争として展開されていたことを論じている。また,研究1の②の易経との出会いが共時性概念の発展過程に及ぼした影響について,2022年度の課題として残されていた海外での資料収集を2023年3月スイスにて行った。その結果,現在は公表されていない貴重な文献に関する資料を得ることができ,今後それに基づき考察を行う予定である(現時点でその資料は非公開のため,ここでの記載は控える)。また,2023年度に研究2の面接調査を行うべく,そのための調査協力者の募集や依頼等の準備を2022年度に進めた。この面接調査は当初予定では2022年度に実施予定であったが,新型コロナ感染症の状況により,2023年度に延期しているものである。3月にスイス出張を行った際に,数名の分析家に依頼を行い,そこから機縁法で調査協力を依頼する予定である。できるだけ多様な立場,背景を持つ分析家に依頼するため,研究計画時点では対面で面接調査が可能な調査協力者に限定していたが,オンラインによる面接調査も含めた形で研究計画を修正するか,検討を行い,2023年度実施に向けての準備を継続予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2021年度は新型コロナウイルス感染症の状況で,本務校の行動制限指針のために本来の計画にあった文献収集のための海外出張ができず,外国での包括的な資料収集を前提とした研究1の実施に遅れが生じていた。2022年度は,その2021年度に実施予定だった文献研究を実施した結果,文献研究自体は非常に順調に行うことができたものの,前年度からの遅れの影響が残っている。つまり,2021年度の計画の遅れの結果,元々の計画で2022年度に行う予定であった研究2を実施することはかなわず,「(4)遅れている」と判断した。

今後の研究の推進方策

今後の研究計画の推進については,2023年8月後半から9月上旬にかけて,海外出張し,研究2の共時性概念の現代的意義に関する調査面接を行う予定である。2023年度5月時点で調査協力者の募集や渡瑞の準備等を鋭意進めているところである。2023年度夏~秋の時点で調査を行うことができれば,その後急ぎ分析等を行い,2023年度中に調査2を完了する当初の研究計画にほぼ追いつくことが可能だと考えられる。

次年度使用額が生じた理由

2021年度に予定していたスイスでの文献調査が新型コロナ感染症の状況により本務校で海外出張が禁止されていたために実施ができなかった。それに伴って,予算利用年度にズレが生じており,2022年度に元々実施だった調査旅費が未使用のため,この差額が生じている。この調査は2023年度に実施するため,2023年度利用予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 共時性に関する分析心理学的研究の展望2023

    • 著者名/発表者名
      桑原晴子
    • 雑誌名

      就実大学大学院教育学研究科紀要

      巻: 8 ページ: 43-57

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2023-12-25  

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