本研究はパーキンソン病の非運動症状の一つである衝動制御障害(ギャンブル依存,買い物依存,過食,性行動異常など)に対する,マインドフルネス瞑想法の効果を調べることを目的としている.まずパーキンソン病の衝動制御障害評価尺度であるQUIP-RSの日本語版の作成,検証を行い,良好な感度・特異度を示し,施設間格差も少ないことを報告した(DOI:10.1155/2022/1503167).さらにパーキンソン病患者に対するマインドフルネス瞑想の単群パイロット試験の解析を完了し,8週間のマインドフルネス瞑想プログラムによって衝動性および衝動制御障害の有意な低下を示した.さらに機能的MRI解析では,試験前後においてデフォルトモードネットワークおよび前頭頭頂ネットワークの機能的結合性が変化することを報告した(DOI:10.1371/journal.pone.0266354).これらの結果を元に主要評価項目,サンプルサイズの設定を行った上で,第3相ランダム化比較試験を継続している.適格基準を満たす症例が予想より少なかったため,試験期間を延長して継続している.
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